消化管内発酵は、複雑な糖を、血流に吸収できる単純な分子に変換するための消化プロセスだ。この過程で、副産物としてメタンが生成される。
ブルー・オーシャン・バーンズは、農家が牛の飼料に簡単に混ぜられる、紅藻由来の独自の天然飼料サプリメントを開発した。このサプリメントが牛の飼料に占める割合は0.3%に満たないが、消化中に水素が炭素原子と結合するのを防ぐことで、メタンの生成量を抑えられる。
牛はげっぷとして、メタンのかわりに、大気に害を及ぼさない濃度の二酸化炭素と水素ガスを排出する。
この技術はきわめて優れている。というのも、短期的に見ると、人間活動による地球温暖化効果の半分近くはメタンガスに起因しており、年間メタン排出量の40%を牛などの草食動物が占めているからだ。
メタンの問題は、二酸化炭素よりも温室効果がはるかに大きいところにある。そして20年もすると、メタンは分解されて二酸化炭素になり、大気中で引き続き温室効果を発揮することになる。
メタンの大気中での半減期は9年だが、二酸化炭素の大気中での半減期は、いくつかある分解や除去の経路によって変わるが、30〜300年ほどだ。
大規模な農業経営者は、気候への影響の軽減に意欲を見せている。カリフォルニア州ヒルマーにある酪農場「ヨセミテ・ジャージー・デイリー(Yosemite Jersey Dairy)」を経営するC・A・ラッセル(C.A. Russell)は、「ブルー・オーシャン・バーンズの懸命な努力と粘り強さが実を結び始めていることに、大きな期待を寄せている」と話している。「私たち全てに良い可能性がある動きだ」