ビジネス

2020.10.28

アマゾンと提携解消のフェデックス、新戦略は「返品サービス」

Sundry Photography / shutterstock.com


フェデックスのグローバル・Eコマース・マーケティング担当上級副社長ライアン・ケリー(Ryan Kelly)は、「私は、返送プロセスにおけるフリクション(摩擦、面倒)の問題を重要だと考えている」と述べた。「ハッピーリターンズのプロセスは、フリクションレスで楽に返品できる」

今回の提携の土台となったのは、フェデックスが2018年に開始した返送受付サービスだ。それ以降、顧客は、大手小売店で購入した商品を返品する際に、フェデックスのオフィスに持ち込んでラベルを印刷できるようになった。フェデックスは2019年、ドラッグストアチェーンのウォルグリーンでも返送荷物を受け付けられるようにした。ただし、このプログラムに参加する小売店の数は公表していなかった。

ハッピーリターンズのソビーが目指すのは、同社の返送処理テクノロジーをバネにして、返品コストを最低でも10%削減することだ。同社では、複数の返品受付拠点に持ち込まれた商品を、ひとつの配送センターに集約する。このやり方なら、オンラインで販売した商品の返品率が30%に上る小売店であったとしても、返品コストを削減できるかもしれない。返品率30%は、実店舗で購入した商品の返品率の3倍だ。

受け付けた商品は、再利用できるハッピーリターンズ独自のトートバッグに入れられ、週に2回、地域の処理拠点2カ所に集められて仕分けられる。返送用の箱が不要なため、返送する商品1個につき、温室効果ガスを0.12ポンド削減できることが、環境コンサルティング企業ヨーク・エンジニアリング(Yorke Engineering)がハッピーリターンズの委託で2018年に行った環境インパクト調査から明らかになっている。

ハッピーリターンズは2015年創業で、一般的な小売業者やショッピングセンター、大学内の書店やオフィスビルなどの決められた場所に、箱やラベルがなくとも返品したい商品を持ち込めるサービスを提供している。ただし、それらの場所の多くは、パンデミックのあいだ閉鎖されていた。フェデックスとの提携で、ハッピーリターンズの返品受付拠点の数は4倍に増え、処理できる商品数は1カ月当たり100万個になる。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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