プラスチックごみとどう向き合うか? 家庭でできる3つのこと

Barcroft Media/Getty Images

食品から日用品まで、スーパーなどの店頭で売られているものには、ほとんどどこかにプラスチックが使われている。野菜ひとつ例にとっても、ほうれん草や白菜の束にはぐるりとテープが巻かれ、トマトやにんじんなどはビニールの袋に入れられている。

2020年7月1日から全国の小売店では、原則としてプラスチック製のレジ袋が有料となったが、それでもまだ、実感としてプラスチックごみが少なくなっているとは思えない。

国内の廃プラスチックの排出量は、一般ごみや産業ごみを含めて約900万トンと言われている。もちろんリサイクルも進んでいるが、その約6割がサーマルリサイクル、つまりプラスチックごみを燃やした熱を活用するということであって、プラスチック製品にリサイクルされるわけではない(2018年プラスチック循環利用協会調べ)。

加えて、ここ最近は、微生物によって分解される「生分解性プラスチック」という言葉もよく聞かれるようになったが、どうやらすぐに分解されるわけでもなさそうだ。いったい何が正解なのかよくわからない。

そこで自分なりにたどり着いた答えは、「それは土に還るのか?」ということだ。1年、2年というものではなく、せいぜい1カ月、2カ月といったスパンの話で、これは明快な線引きだと思っている。

私が家庭で実践している3つのこと


とはいえ、プラスチックを使用した製品をまったく買わずに生活ができるかというと、残念ながらなかなか難しい。そこで今回は、私が心掛けている、家庭でできる3つのことを紹介したい。

1. 「買う」という行為を見直す

これは説明不要かもしれないが、まずは、できる限り家の中にプラスチックを持ち込まないように心掛ける。野菜にしても、店頭で買うよりも、自分で育てたり、お裾分けをいただいたりするのがいちばんいい。ペットボトル飲料も買わないことにしている。やむを得ずいただいてしまうこともあるが、どうぞと言われたときは、いまのところは断らずに持ち帰ることにしている。要りませんと言うと、どんな伝え方をしても角が立つからだ。

2. ごみの分別スペースをつくる

わが家には、いわゆるごみ箱はどの部屋にも置いておらず、玄関脇にごみの分別スペースがあり、そこで以下のように14種類のごみを分別している。

普通ごみ(リサイクルもコンポストもできないごみ)

<資源物>びん類

<資源物 紙類>新聞/新聞折込チラシ/段ボール/雑誌類/その他紙

<資源物 プラスチック類>ペットボトル/白トレー/発泡スチロール/容器包装プラスチック/その他プラスチック

<その他>布類/電池/ホッチキスの針など雑金属類

これはそのまま、ごみ回収日に持っていくための分別である。このなかで思いのほか量が多いのは、容器包装プラスチックだ。こうして分類するようになってから1年ほどが経つが、ごみは確実に減っていて、ごみ袋(大)からごみ袋(小)でも十分な量となり、さらにごみ出しは週2回ではなく、1回でも間に合うほどになっている。

そして、玄関にはハサミとカッターを常備していて、段ボールで届いたものは玄関で開封し、段ボールを分別してから、品物だけ部屋へ持ち込む。そうすることで、部屋にはひとつもごみ箱を置かなくてもよくなったのである。
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文=増村 江利子

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