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スイスの起業家の姉妹、ハレ・アビバルディと妹のゴルナール(Jared Siskin / Patrick McMullan by Getty Images)

世界中の人々の輝く白い歯へのこだわりは、私たちの口腔衛生にかなりのダメージを与えてきたのかもしれない。市販されているキットや応急的な処置のための製品は、有害無益なものも多い。

歯の表面の着色物質を除去するための過酸化物と漂白剤を高濃度で含む製品は、“技術的には”有効だ。だが、専門家の助けがなければ、着色物質の下にある歯そのものまで傷つけてしまう可能性がある。

スイスの起業家の姉妹、ハレ・アビバルディと妹のゴルナールは、このことをよく知っている。複数のクリニックを運営し、同時にオーラルケア製品の開発・販売も手掛ける「スイススマイル(SwissSmile)」の創業者である2人は、こうした製品が人々の歯にどのような結果をもたらすか、数十年にわたって目の当たりにしてきた。

ハレによると、ホワイトニング用の歯磨きをはじめ、関連製品を使用している患者のうち、最も多くが訴えるのは知覚過敏と歯の着色、歯茎の膨れだという。

「過度の使用は歯の表面のエナメル質を剥がしてしまうことにつながり、そうなれば、黄色い象牙質が透けて見えるようになります。歯を白くするのではなく、変色させてしまうことになるのです」

姉妹はホワイトニング用の「クレスト ホワイトストリップス」を米国で発売した翌年の2002年、チューリヒにあるショッピングモール内に借りた店舗スペースで、顧客ゼロ、運転資金もない状態で従業員20人を採用し、最初の「スイススマイル・クリニック」を開業した。

まったく新しいコンセプトで事業を始めた姉妹は開業から1年間、毎晩3〜4時間以上は眠らずに働いたという。その2人について、誰もが“本当にクレイジーだと思っていた”とゴルナールは振り返る。姉妹は年中無休で早朝から深夜まで診察するクリニックを運営し、さらに多くのクリニックを開業し、歯科衛生士やその他の専門家を養成する学校も設立した。

ただ、2人の新しいコンセプトの価値が証明されるまでに、長くはかからなかった。2007年までに、姉妹はスイス中に事業を拡大。口腔衛生の重要性をより広く訴えるため、グラウビュンデン州サンモリッツのほか、モスクワとロンドンにも支社を置いた。

編集=木内涼子

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