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Photo by Drew Angerer/Getty Images

先週の米大統領候補討論会で、「中国から金は受け取らない」と宣言したドナルド・トランプ大統領だが、実際には就任後に中国の国営企業から数百万ドル(数億円)を受け取っている。フォーブスの推定によると、トランプ・タワーでの中国国営銀行のリース契約から大統領の事業に渡った金額は、少なくとも540万ドル(約5億7000万円)に上る。

中国工商銀行は2008年、トランプ・タワー内のオフィスを年額190万ドル(約2億円)で借りるリース契約を結んだ。トランプは2015年、フォーブスの記者3人にトランプ・タワー内を案内した際、「中国工商銀行を見せてあげよう」と語っており、この契約の存在を把握していることは間違いない。

トランプは2017年、住居をトランプ・タワーからホワイトハウスに移したが、その際には所有する管理会社トランプ・タワー・コマーシャルを通じてタワー内の店舗・オフィススペースの所有権を保持した。中国工商銀行は国営企業が7割出資していることから、トランプはこの契約を通じて中国から収入を得ることになった。

合衆国憲法では、連邦政府職員が議会の了承なしに外国政府から金銭や物品などを贈与されることを禁じているため、この契約からは法的懸念が生じた。識者らは当時、首都ワシントンにあるトランプのホテルを主に問題視し、トランプは就任と同時に憲法に違反することになると主張した。

トランプの弁護士は2017年1月11日にトランプ・タワーで開かれた記者会見で、通常の商取引は米憲法違反に当たらないと強調しつつも、大統領はホテルを通じて外国政府から得た収入を米財務省に全額寄付する意向だと説明した。トランプから事業運営を引き継いだ長男のエリックはその翌月、フォーブスに対し、寄付は「全ての不動産」から行われると説明した。

この時エリックは、全ての「ホテル」と言ったつもりだったのかもしれない。というのも、トランプ・オーガニゼーションは、中国から得た利益の全てを寄付しているわけではないとみられるのだ。

翻訳・編集=遠藤宗生

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