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Giselle by Natasha Razina (C) State Academic Mariinsky Theater

Forbes JAPAN 2020年12月号「30 UNDER 30 JAPAN 2020」特集の表紙を飾った、20歳の永久メイ。ロシア帝国の宮廷バレエを起源に280年の伝統を受け継ぐ名門「マリインスキー・バレエ団」に17歳でスカウトされ、10代で数々の演目の主役に抜擢された世界が注目するバレエダンサーだ。

言葉の壁や厳しい指導にめげず、一度も辞めたいと思わなかったのは「クラシックバレエが好き」という一心から。2020年、コロナ禍のロシアで劇場が閉館され、久々に日本で半年を過ごした後、サンクトペテルブルクに再び発つ直前の彼女に会った。



──普段、どんな一週間を送っているんでしょう。

劇場と自宅とを往復する毎日です。毎週月曜日は劇場が休みなのですが、その日もレッスンが受けられるので、練習しようと思えば、いつもできる環境。なので、結局劇場に行ってしまうんです。

マリインスキーは他のバレエ団と違って、「この月に上演するのはこの作品だけ」というスケジュールではありません。だいたい日替わり、長くても3日ぐらいで作品が変わります。だから、今日『ロミオとジュリエット』を踊ったとしても、次に踊るのが1カ月とか2カ月後、もしくは半年後ということもあります。毎日同じことをしていないので、フレッシュさは得られますね。

──演じるほうも、ちゃんとモチベーションが保てるようにしているんですね。

はい。でも、それってすごく難しいことなんです。毎日違う練習をしないといけないし、次の日に違う役、また次の日は違う役、となるので。これから私にとっては4年目のシーズンに突入するんですが、本当にあっという間の日々でした。

──13歳でモナコ王立のバレエ学校へ留学して4年。そこからすぐロシアへ渡ったから、10代はずっと海外でバレエ漬けでしたね。

バレエ学校の時代は、踊るテクニックの面を毎日練習してきました。でも、ロシアの劇場に入ったら、みんな技術はあって当たり前なんです。バレエ団ではもっと演技だったり、魅せ方だったり、表現そのものを高めていく場所でした。

──『ロミオとジュリエット』でジュリエット役を踊ったのが今年の3月でした。その後、ロシアにもコロナが拡大して劇場も閉めざるを得なかったんですよね。

そうなんです。その直後に帰国しました。私は向こうに残るつもりでいたんですけど、親が心配して「帰ってきて」と。結果的に、こんなに長期間劇場が休みになってしまい、今となっては帰って来て良かったという気がします。日本に半年もいるのは小学校以来。久しぶりすぎて、身の回りのすべてが変わっていました。

5月中旬からオンラインレッスンを始めました。時差もあったので、バレエ団のレッスンの映像を録画しておいて、次の日に自習したり、自分でレッスンを考えたり……。モナコに留学するまで通っていた地元のバレエ教室のスタジオを借りたんですよ。急にその時代に戻った気分になって、何だか不思議な感じがしましたね。

文・構成=神吉 弘邦(Hirokuni Kanki)

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