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──ところで、それほどSNSは毎日やられていないんですよね。

いろんな人から「動いているメイちゃんが観たい」とメッセージをいただいたりもしますが、自分の中では「マリインスキーの一部として踊っている私」を観てほしいという想いがあります。

それに、そんなに自分自身を発信するのが好きじゃなくて。やっぱりバレリーナは、職業的にも「夢の国」の住人じゃないですか。私も小さなころから、そんなキラキラした夢の国に憧れていたから、そのイメージを崩すことがあったら嫌なんですね。

リハーサル中、自分の踊りを確認するための動画はいつも撮っているんです。でも、それは人に見せるための動画ではないから。別にSNSのすべてが悪いというわけじゃないんですけど、そんな練習中の自分とか、すごく疲れている自分とか載せたら、誰かの夢を壊してしまうかもしれません。

自分を追い込むことが好きなんだと思う


──自分を出すなら舞台の上で、ということですね。

はい。人に見せるときは、本当に完成したものを見せたいんです。そういうところは、変にストイックかもしれません(笑)。自分を追い込むことは好きなんですよ。完全に100%にはなれないんですけど、それに近づけられた自分の状態を出したいと思います。いつも、本番を踊り終わった後にどこがダメだったか反省をしているんです。

──「完璧主義」だと思いますか?

それ、よく言われるんです。モナコにいたときにも、校長に「完璧主義すぎるから、もうちょっと楽でいいんだよ」と。でも「いや、それじゃダメだ」って。

完璧を目指さないと上達していかないし、甘える自分が嫌いというか。自分を追い込まないと、そこで終わっちゃうのが悔しいというか。本当に満足したことはないので、自分の踊りに。

──指導する側に回ると、いい指導者になるかもしれません。

たぶん、みんな辞めていくと思います(苦笑)。でも、私に今ついているタラソワ先生が、そんな感じなんですね。本当に良かったときにしか「いい」って言ってくれないし。毎回、他の先生が「良かったよ!」と言っても、「あそこがダメだったね」みたいなときが多いので。逆にそれは嬉しいです。褒められないほうがいいです、私は。だからこそ、たまに褒められたとき、すごく嬉しいんですよ(笑)。


ながひさ・めい◎2000年兵庫県生まれ。13歳からモナコ王立グレースバレエ学校に4年間留学。卒業後、ロシア「マリインスキー・バレエ」入団。セカンドソリストに昇格し、『ジゼル』『愛の伝説』『ラ・シルフィード』『ロミオとジュリエット』で主役を務める。

文・構成=神吉 弘邦(Hirokuni Kanki)

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