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──いつごろからバレリーナを志したんですか。

3歳からずっとバレエをしていたので、明確に「バレリーナになりたい」という目標を持つようになったのかはわかりません。。徐々にコンクールに出始めて、海外のバレエ学校からオファー来て、という流れの人生なので、特に考えたことはなかったんです。私からバレエを取ったらどうなるんだろう……そういう「バレエをやっていない自分」が想像できない、という感じなので。

──まさに、人生の一部。

本当にそうです。自粛期間中、どれだけモチベーションが湧かなくても、少しでも踊っておかないと、なにか物足りない気がするんです。バレエが当たり前にある生活です。

ちっちゃいときから負けず嫌いで、続けたいことはとことん続ける、というのがあったかもしれないですね。小学校からとても疲れて家に帰ってきて、バレエ教室に行かないといけないときでも、お母さんに「今日は行かなくていいんじゃない?」と言われたら、逆に火が点いてしまって「いや、行ってくるよ!」と。

技術と表現をナチュラルに出したい


──バレリーナという職業は、やはりロシアでは尊重される立場なのでしょうか。

はい、残念ですが日本とは違います。以前、日本に帰ってきて「バレエをやっています」と言ったら、「え? バレエで生活していけるの?」と言われたことがあって、その質問が新鮮でしたし、「やっぱり、そうやって思われているんだ」と思いました。

ロシアだと、ちっちゃい子の夢がバレリーナ。日本で言うケーキ屋さん、お花屋さんみたいな感じです。バレリーナが本当に「夢の職業」なんです。観てくださっている人たちからも、バレエに対する尊敬する気持ちが舞台ですごく伝わってくるので、こちらも踊っていて達成感があります。


ロシア・サンクトペテルブルクにあるマリインスキー劇場( LeDarArt / Shutterstock.com)

──それも、生の舞台ならではの良さですよね。本番に向かって、練習にも力が入るでしょう。

練習でいかに技術を高めていって、それを本番の舞台で表現力と一緒にどうナチュラルに出せるかを考えます。技術だけバンバン見せても、お客さんは観ていて面白くないし。逆に、表現だけで技術が伴っていない場合にも、「ん?」って思われるから、そこを両立させないと。

──すると、いろいろ改善した千秋楽が一番いい踊りになりますか?

もちろん、技術面では最後が一番良くなりますが、最初に踊ったのがいいときもあるんです。やっぱり、一番フレッシュな自分を見せられますから。何回もやっていると、役や踊りに慣れてしまって、同じ表現をしがちなんですね。

──ちなみに、本番と練習では、本番で踊るほうが好きですか。

はい、もう断然。ときどき「早く本番になって欲しい!」と思います。本番では緊張感もありますが、周りのセットが付くと、逆に踊りやすかったり、演じやすかったり。客席には人もいるし、自分たちは衣装も着ているし、音楽も生だし、いろいろと違いますね。

文・構成=神吉 弘邦(Hirokuni Kanki)

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