最後は番外編。キャピック製品のECサイトを眺めていると、「こんなものまで、刑務所で作られているの?」と驚くかもしれない。最後に編集部選として、刑務所取材をしてきた筆者が、伝統工芸品からオススメの2品を選出した。
7. 福島刑務所:くるまとつみき 2型(2950円)
高橋:主に民芸家具、積み木、おもちゃ箱を製作している福島刑務所から、おすすめ品の「くるまとつみき(福島)2型」を。車の形をした木箱に30個の積み木が入っている、懐かしさを感じる商品。ひとつひとつ、角を手作業で磨いているため安全さが売り。有名なおもちゃ店で購入すれば1万円は超える積み木セットがこれだけ安価に購入できるのも大きな魅力である。
8. 名古屋刑務所:ミニBBQコンロ(2750円)
高橋:最近のキャンプブームの流れをくんだのか、最近の刑務所製品はキャンプグッズもチラホラ。バーベキューコンロは他の刑務所でも製作しているところがあるうえ、長崎刑務所の焼き鳥コンロも捨てがたいが、今回は名古屋刑務所のミニサイズを選んだ。単身者用なのでソロキャンプにぴったり。新型コロナウイルス感染拡大のため、人と接触せずにひとりで自然の中、食事を楽しみたいという方にぜひ。
9. 笠松刑務所:七宝焼き ピルケース3型(2200円)
督:女性受刑者が手がける、繊細な絵付けがされた七宝焼きは人気製品。岐阜県内にある笠松刑務所で、絵付けの場面を取材したことがあるが、手先の器用な受刑者がひとつひとつ丁寧に、黙々と作業をしていたのが印象的だ。ピルケースとなっているが、旅先でアクセサリーを入れる小物入れにも活用できる。
10. 麓刑務所:ランチョンマットB型 5枚セット(5250円)
督:北欧風のデザインと思いきや、久留米絣の工芸品。佐賀県の麓刑務所も女性受刑者を収容する施設。淡いパステルカラーのパターンもあり、選ぶのが楽しい。裏布には、綿布の生地を使用している。
キャピック製品はなぜ人々を惹きつけるのだろうか。高橋さんに聞くと、「地味で安価ながら、丈夫でお得感がある」ことがまず大きな魅力だという。次に、その地域の名物や産業、観光名所などを製品のデザインに取り入れていることが多く、各地のキャピック製品を見ていると、日本を旅しているような気持ちにもなれる。バッグやメモ、靴など、複数の刑務所で製作されている商品では、地域ごとに特色があり、使い比べるのも興味深い。
今回選んだように、最近では、デザインも凝ったキャピック製品も出ているので、注目したい。
高橋さんは、各地の刑務所に取材に行くと、一筆箋かメモを必ず買っているという。加えて、キャピック製品はお土産として渡すと、意外と喜ばれるそう。高橋さんは「市場に出回っている製品とは違う素朴さも魅力なのでしょう。ぜひ、キャピック製品を一度は使ってみてほしい」と呼びかける。
ECサイトでは、人気なキャピック製品が売り切れとなっても、随時在庫が追加される可能性があるので、新着情報を確認すると良い。12月21日まで、即売会開催期間中は、計5000円以上を購入した場合、全国一律で送料が無料となる。全国各地のキャピック製品をチェックしているうちに「塀の中」のイメージが変わるかもしれない。