ビジネス

2020.10.28 13:00

「ピュアな思いを諦めない」 ZOZO傘下yutori片石貴展の主張 #30UNDER30


片石は経営者として、数年以内の上場も大規模な売上も確実に見据える。だが、「本当に目指すものは数字ではない」とも言う。

才能があるのに、自信を持てない人。好きなことがあるのに、恐くて表明できない人。yutoriは彼ら彼女らが踏み出すきっかけを与える。そしてそんな会社が成長することを見せることで、自らが彼ら彼女らにとっての大きな希望となろうとしている。

資本主義社会で承認欲求に従わず、好きを貫く


「自分の“好き”をビジネスにすることは、個人、チーム単位では増えてきました。でも企業の取り組みとしてはあまりみられない。それに今、ファッションビジネスは下火。服が好きなのに仕事にすることを諦める人もいる。でも僕らは、資本主義社会において、ファッションという好きなことを貫きながら結果を出したいんです。『こんな会社もあるんだ』と、新しいスタイルを示したい」

好きを貫くこと。それは簡単なようでひどく難しい。日本社会に根づいた同調圧力のみならず、資本主義社会は目に見える「数字」を求めるからだ。目に見えない「好き」をひたむきに信じ続けるにはどうすればいいのだろう。

「順番を間違えないこと……それしかないと思います。まず自分の中にある、簡単に言葉にできないけれど強烈に好きなものを大事にする。そこをまず考えた上で、どうにかして数字をつけていくことです。

数字は分かりやすく結果を伝えられるコミュニケーションツールでしかありません。自分の中にあるピュアで大事なものを見失わないでいたい」

yutoriはピュアな“好き”を表明し続けていく。才能があるのに挫けている、すべての秀才のために。


片石貴展◎1993年、神奈川県生まれ。Instagramアカウント『古着女子』は約33万フォロワ ーの国内最大規級の古着コミュニティを形成。『9090』『spoon store』をはじめ、複数のアパレルD2Cブランドをプロデュース。

文=田中一成 写真=木下智央

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