I write about security and surveillance.

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ファーウェイがついに新型スマホ「Mate 40」をリリースした。米政府による半導体の輸出規制や、グーグルのソフトが利用できないことから、中国以外の地域では苦戦が予想される。同社にとっては、米政府のブラックリスト入りが最大の課題だが、Mate 40に関してはグーグルのソフトを実装できない点に大きな注目が集まっている。

ファーウェイは、Mate 40のリリースに合わせて「ペタル検索」のサービス拡張も発表した。ペタル検索は、グーグルマップの代替サービスを含む、ファーウェイ独自のアプリサービスの1つだ。検索市場で支配的地位にあるグーグルが独禁法違反で米司法省から提訴された中、数億人のユーザーを抱えるファーウェイにとって独自の検索サービスの展開は大きなチャンスだと言える。

一方で、信頼性の高い検索サービスを提供することがファーウェイにとって課題となる。地図サービスを検閲することはできないだろうが、ニュースや歴史など、一般的な検索結果については信頼性が大きく問われる。

もともと、ペタル検索はファーウェイが搭載できなくなったグーグルのアプリやSNSメディアなどをウェブ上で検索しやすいように開発されたものだ。しかし、今では「ファーウェイ検索」とも呼べる本格的な検索エンジンへと進化している。ファーウェイは、3月にペタル検索の実証テストを行っているが、本格リリースはまだだった。

今回のペタル検索のアップデートは、様々な意味合いを持つ。大手スマホメーカーであるファーウェイが独自の検索エンジンを広めることは、グーグルのみならず、これまでモバイルインターネット領域を独占してきた米国にとって大きな脅威となる。また、TikTokが欧米のユーザーにコンテンツを提供することが問題視されたのと同じように、中国企業による検索エンジンの提供は、欧米で懸念視されるだろう。

中国政府は、欧米の検索サービスを規制しているが、今年に入ってから国内の検索サービスへの影響力も強めている。ファーウェイは、中国国外で検索結果を検閲することはしないとしている。TikTokも同じ主張をしているが、同社は反中的な動画を検閲しているとして批判されている。

迫られるビジネスモデルの変革


ファーウェイにとってより重要なのは、3月にペタル検索をローンチしたときから状況が大きく変わったことだ。当初、同社はグーグルの代替となるメールや地図を自社端末で提供することを目指し、独自のソフトウェア・エコシステムを構築した。ペタル検索は、そのエコシステムを構成するサービスの1つという位置づけだった。しかし、米政府が半導体の輸出規制を発効すると、ファーウェイはスマホメーカーからソフトウェア・エコシステムの提供者へとビジネスモデルを転換せざるを得なくなった。今後は、他社端末にも検索エンジンやアプリを提供していくことが求められる。

GSMArenaは、ペタル検索について次のように述べている。「ペタル検索アプリは、一般的なクエリに加えてニュースや画像、動画を検索できるエンジンだ。他にも、グーグルやBingのようなショッピングや飛行機チケットの予約もできる。当社のテストでは、検索結果はマイクロソフトのBingが提供するものが多かったが、スペインやトルコでは、ファーウェイが直接インデックスした検索結果が表示された」

編集=上田裕資

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