キャリア・教育

2020.11.04 07:00

SNSバブル時代の成功法。noteの世界観を作る深津貴之の解 #30UNDER30

インタラクションデザイナー 深津貴之


ネット上に人も情報も溢れている今、少し面白いことを発信したところでキャリアに繋がるようなチャンスはなかなか巡ってこない。現在、ツイッターで10万人以上のフォロワーがいる深津は、どのような発信を心がけているのだろう。
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「20代の頃からずっと心がけているのは、誰かの役に立つようなバリューのある情報を流すこと。パブリックメモ帳のように、気づいたアイデアを書いています」

自分の考えやアイデアに対して、他の人がどんなリアクションを返したかを知ることは重要な価値をもつと深津は考える。だから、困りごとをツイッターで公開したり、オススメの漫画を尋ねたりすることもある。

オピニオンリーダーに情報の判断を「外注」


SNSの上手な使い方を尋ねたところ、「思い切って友達をフォローするのをやめて、各界のオピニオンリーダーをフォローする」ことだという。
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「各分野に対して自分よりも鋭い視点を持っている人、つまりオピニオンリーダーのような人をフォローするといいですよ。そうすれば、つまらない情報はその人たちが省いてくれるので、彼らにその判断をアウトソースした状態で、SNSから有益な情報を得ることができます」

1つの分野に関して調べようと思っても、情報が多すぎて本当に重要なポイントを見失ってしまう。その業界を牽引するようなリーダーを5人フォローしておけば、そのうちに3人が注目していることをインプットすれば良い。

深津は、SNSが細分化されて自分の全く知らないところに別のコミュニティが形成されている現象が起きていると感じている。

「10年前まではネット上で活躍している人たちは、だいたい知り合いでした。今では、僕の知らないところに影響力を持った人たちがいる。ニッチなユーザー層のグループがいくつも存在している状態ですね」

この「コミュニティの分散」が、冒頭の「今の若者ってわからない」という言葉の真意だ。

システムを正しく設計すれば、カルチャーは作れる


独自の視点でSNSを分析する深津だが、現在は自身が代表を務める「THE GUILD」でクライアントワークをしながら、メディアプラットフォーム「note」のCXOとしてサービス設計やシステムの改善を手がけている。長年UX、UIデザインの経験を積んできて、現在はどのような構想を頭の中で描いているのだろうか。

「単独のブログとしてのスペックは求めていません。どのような機能をつけるかではなく、より大きな構想で、noteというエコシステムやカルチャーをどう作るかを考えています。タフな熱帯林のような存在にしたいのです」
次ページ > noteのプラットフォームを「街」に例えると

文=田中舞子 構成=督あかり 写真=小田駿一

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