SNSバブル時代の成功法。noteの世界観を作る深津貴之の解 #30UNDER30

インタラクションデザイナー 深津貴之


noteというプラットフォームを「街」に例えると分かりやすい。街には、人々が日常をすごす住宅街や商店街や歓楽街だけではなく、役所、美術館や公園のような文化施設、困りごとの相談や通報ができる警察署も必要だ。

noteという街で人々が暮らしたり、好きな場所を訪れたり、時には仕事や仲間を見つけるような仕組みを目指しているのだという。

「エコシステムを大きな意味での街と考えて、機能よりもカルチャーを作ることを重視しています。noteにくれば面白い人が寄って来るし、noteに来ることで自身も面白い人になっていくような。こういう世界や、そのためのコミュニケーションがnoteから発生すればいいですね」

PVなどの数値目標を第一指標にはしない。大きな理念が先にあることで、初めてそのために必要なサービスを考えられる。

「結局、かつてのような良いインターネットをどうやってシステム化するかということです。広告やランキングを置いていないことも、安易にPVだけを稼ぐのではなく、自分が好きなことや社会の役に立つことを自由に発信してほしいからです。正しいシステムを設計していれば、社会にとって望ましい行動をしたユーザーがサクセスできる世の中を作ることができるはずです」

最後に、Under30世代に向けて、深津はこんなメッセージを残した。

「成功は回数が生むものだと思っています。人生でどれだけ一発博打の回数を減らして、どれだけトライアルの回数を増やせるか。愚直に継続することが、1番成功率が高くて楽な方法だと思います」

深津は成功への道筋を「旅」に例えてこう説明する。目的地となる北を定めたら、それに向かって進んでみる。少し進んだら、地図で現在地を確認してから方向修正をする。一見地味にも思えるが、これが成功率を上げる「ゴールデンテクニック」だという。

その重要性を若い世代に向けて身をもって示すように、深津はインターネットの世界でも発信を続けていく。


深津貴之◎1979年生まれ。THE GUILD代表。2009年独立後、ブログ「fladdict.net」の運営や日経新聞電子版アプリのリニューアルにおける基礎設計と監修、日本最大のハンドメイドマーケットminneのスマホUL顧問、2017年よりnoteを展開する「note株式会社 CXO」など、多岐にわたる活動を展開している。

文=田中舞子 構成=督あかり 写真=小田駿一

ForbesBrandVoice

人気記事