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Photo by Askin Kiyagan/Anadolu Agency via Getty Images

石油輸出国機構(OPEC)と、非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」の合同閣僚監視委員会(JMMC)の会合が10月19日に開催された。

会合の終了後、OPECプラスを主導するサウジアラビアとロシアが、少なくとも今のところ、成果をアピールする発言を行っていないのは興味深い。何しろここ4カ月にわたって、原油価格の並外れた安定状態が継続しているのだ。これがOPECの働きによるものかはともかく(すべてがOPECのおかげではないと考えるに足る理由はある)、OPECは、自らの主要な目的の達成に成功している。だが、ロシアとサウジアラビアの閣僚は、この機に乗じてこの成果に注視を促すのではなく、原油価格が不安定化する懸念について再度警告することに時間を費やした。

OPEC、および、同機構と近年パートナー関係にある他の産油国を加えた拡大グループであるOPECプラスには、2つの非公式な目標がある。1つは、メンバー国を満足させられるほど高値で、なおかつ消費者が敬遠するほどには高値ではない原油価格を達成すること。もう1つは、業界に極めて重大なメリットをもたらす、原油市場の安定性確保だ。

現時点で、原油価格はOPEC加盟国の望むレベルには達していない。市場指標の1つであるブレント原油価格は、1バレル40ドル前後で推移している。しかし、原油市場は非常に安定しており、しかもこの安定した状態が6月から継続している。

サウジアラビアのエネルギー相を務めるアブドルアジズ・ビン・サルマン王子は、原油市場の統制にはOPECの巧みな誘導が不可欠だとの考えの持ち主だ。アブドルアジズ王子は以下のように発言している。「我々が真摯に、細心の注意を払って市場に対応していることは、市場にとっても心強いはずだ(中略)。積極的な対応が必要な時期だ」

だが、実際の原油市場は現在、非常に安定している。これは、今後に不確定要素がちらつくなかで、市場参加者のほぼすべてが様子見の姿勢を強いられているためだ。これらの不確定要素としては、新型コロナウイルス、このウイルスへの各国政府の対応、ウイルスへの不安、そして米国の大統領選挙が挙げられる。大統領選の投票日である11月3日を過ぎれば、原油市場の安定した状況は終わりを迎える可能性が高い。

それでも、OPEC(とOPECプラス)が持つ力やその有効性にしばしば疑問符が突きつけられている状況においては、OPEC首脳はここ数カ月の価格安定を大々的に宣伝してもよかったのかもしれない。だが実際には、首脳たちはボラティリティ(価格変動性)が差し迫っていると警告した。

OPECはこれまで、自らが原油価格の安定化要因だと市場に示すことを、その戦略の1つとしてきた。もしOPECが、自らに価格を安定させる力があると市場に信じさせたいのであれば、最近の成果を大いにアピールすべきだろう。この点に関して、OPECには勝利を宣言できるだけの根拠があるし、そうすべきだ。結果として、OPEC(とOPECプラス)は、原油価格の安定を宣伝する大きなチャンスを逃したと言える。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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