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日本のアート市場は、世界の0.5%にも満たないと言われています。日本は長らく、アーティストという職業が社会の中で活躍することが難しい環境があります。

この状況を打破するには、経済的支援や展示の機会提供などの一過性の解決策ではなく、アーティストが持続的に稼いでキャッシュを生める、新しいビジネスモデルが必要。SNSやテクノロジーが発達した現代に適した、新しいアーティストの発掘・国内外へのプロデュース方法が求められています。


六本木の本社兼ギャラリー「HARTi GALLERY TOKYO」

──マーケットがない現状を考えると、日本人のアートに対する関心が薄いという壁があると思います。

私は、日本のアートマーケットは、ポテンシャルがありながらも、ビジネスモデルの構造的な課題がある状況だと感じています。

というのも、バブル前の日本のアートマーケット規模は、米国に次ぐ世界2位でした。しかし、バブル崩壊後に急落したのです。それは日本の美術市場と海外の美術市場との間に大きな構造的な違いがあり、日本のアートマーケットは海外市場の発展の中で取り残されてしまったのです。

一方、日本は美術館の企画展に行く人数が世界トップクラス。「アート」自体は好きな民族なのです。ただ、多くのアーティストは作品を「購入」されることでしか収益を埋めていない。印税や、ライセンスビジネスのような「定期収入」を得られるビジネスを作家個人が構築するのにも限界があります。

そこで我々が注目しているのが、IP(著作物)を活用した二次創作市場です。アジア圏の特徴としてアーティストのD2Cブランドやグッズなどが売れる傾向にあります。アジアを中心にアーティストのIPを創出・展開をし、アーティストが安定して持続的な収益を得られる仕組みの実装を予定しています。

原画をいきなり高額で購入する人は少ないので、その前の認知拡大施策やコミュニティ作りなどのインフラとなる部分を「HARTi」が構築していけたらと考えているのです。

アートの世界においては、「美術史上に照らして価値のある作品かどうか」が一つの価値基準になってきました。もちろん、「アート」そのものの価値を担保するには批評家やキュレーター・美術館等の「権威」が必要になります。

しかし、我々はあえてデモクラティック(民主的)なアートの価値体系作りに振り切り、著名な芸能人やインフルエンサーにも出資をいただき、アートコミュニティの形成にも力を入れています。

写真=木下智央 構成=黄孟志

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