現在91歳のムーアが1968年に共同創業したインテルの株価は、23日に11%近い急落となり、同社の株式の約4%を保有する彼の保有資産は約10億ドル減少し、99億ドル(約1兆370億円)となった。
インテルが22日の取引終了後に発表した第3四半期決算の内容は、ほぼアナリストの事前予想通りだったものの投資家の失望売りを誘い、翌23日に株価は急落した。同社は今年9月26日までの四半期に183億ドルの売上をあげたが、これは前年同期比4%のマイナスで、第2四半期との比較では20%のプラスだった。
企業や政府などの顧客から収益を得ているインテルのデータセンターグループは、第3四半期に59.1億ドルの売上を記録したが、これはFactSetのアナリスト予測の62.1億ドルを、7%下回っていた。
さらに、バンク・オブ・アメリカは23日にインテルを「アンダーパフォーム」に格下げした。同行は、インテルの投資家らに同社が複数の課題に直面していると警告した。
インテルの株価は今年に入り20%以上の下落となっている。これに対しS&P 500は7%近い上昇となっている。
シリコンバレーの先駆者であるムーアは、1975年から1987年までインテルのCEOを務め、1979年から1997年まで会長を務めた。ムーアは、55年前にコンピュータの処理能力が毎年2倍になると予測したことで有名になり、その洞察は「ムーアの法則」として知られるようになった。
インテルを退社後、ムーアは妻とともに2000年に「ゴードン・アンド・ベティ・ムーア財団」を設立した。同財団の資産は60億ドルを超え、環境保護活動や患者のケア、科学研究、サンフランシスコのベイエリアのプロジェクトなどの支援に、毎年3億ドルを寄付している。
ムーア夫妻は2012年に「ギビング・プレッジ」に参加し、財産の半分を慈善活動に寄付することを誓約している。