デルは、2030年までに、製品を販売した量と同等量の再利用またはリサイクルの実現を約束しています。同社は、リサイクルも最優先事項のひとつとしており、パッケージの100%をリサイクルし、製品に使用されている材料の半分以上をリサイクルされた、または再生可能な資源から作られたものにすることを目指しています。
4. ファーウェイ
多くの電子製品は、樹脂から作られた部品が使われていますが。樹脂を作り出す粉末はリサイクルが難しいため、埋め立て地のほとんどが大量の電子廃棄物で占められているのが現状です。ファーウェイは、樹脂粉末からゴミ箱やバスケットを作る試みをし、この分野における大きな一歩を踏み出しました。
ファーウェイはまた、世界の48の国と地域に1300のリサイクルステーションを設置するなど、その世界的な存在感を生かした活動も行っています。同社のサービスセンターでは、昨年、毎月約30万個の使用済みスペアパーツ(重量60トン)を回収した有料リサイクルプログラムも実施されています。
ファーウェイは、リサイクルを奨励するためのクレジットベースのプログラムも導入しました。今や9カ国で展開している中国でスタートしたこのプログラムは、ファーウェイの顧客にリサイクルの見返りとして割引を提供しています。
5. マイクロソフト
マイクロソフトのブラッド・スミス社長は、「2030年までにダイレクトオペレーション、製品、パッケージの無駄をゼロにする」という目標を発表しました。
その一環として、多くの電力と機器を消費しているデータセンターでの廃棄物削減に取り組みむといいます。マイクロソフト・サーキュラー・センターでは、これらの施設でサーバーやハードウェアを再利用および転用していくことを新しく計画しています。
また、マイクロソフトは、プラスチック廃棄物に対する取り組みにも積極的です。国連によると、毎年発生するプラスチック廃棄物はおよそ4億トンですが、その約半分はパッケージによるもの。マイクロソフトが2025年までに消費者向け製品のプラスチックフィルムから同社データセンターの大型機器のパッケージまで、使い捨てプラスチックをパッケージからなくすことを宣言したのはこのためです。
6. フィリップス
昨年、ダボスで開催された世界経済フォーラムの年次総会で、ヘルスケア技術事業者であるフィリップスのフランス・ファン・ホーテン最高経営責任者(CEO)が立てた誓いは、「フィリップスは、消費者が返却する大型医療システムをできる限り多く回収し、再利用する」というものでした。同社は、この目標を今年達成できるよう進めています。
サーキュラー・エコノミー加速化プラットホーム(PACE)の共同議長を務めるファン・ホーテン氏は、900億トン、地球上の人間一人あたり12トン以上の天然資源が毎年採掘されているという、現在の消費パターンの持続不可能性に関する懸念を訴えています
これを踏まえ、フィリップスが目指しているのは、所有型からアクセス型のサービスモデルへの移行です。機器が壊れ、廃棄されるのを待つのではなく、消費者が一定期間機器を使用できるようにする仕組みです。同社は、2020年までにサーキュラー製品およびサービスが売り上げの15%を占めることを目標としています。
(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)
連載:世界が直面する課題の解決方法
過去記事はこちら>>