経済・社会

2020.10.30 10:30

なぜ米有権者は3時間も行列しなければならないか


大統領執務室のスキャンダル


ホワイトハウス内の大統領執務室は「オーバルルーム」と呼ばれ、文字どおりオーバル(卵型)で、四隅の柱がない。背後に5軍(Army, Navy, Air Force, Marines, Coast Guards)の旗が立つ。この部屋は近年、2つの大きな歴史的スキャンダルの舞台となった。

ひとつは、1972年、リチャード・ニクソン大統領のウォーターゲート事件だ。ニクソンはこの部屋のどこかに盗聴装置を仕掛け、日米首脳会談を含めたあらゆる会話を録音していた。それが皮肉にも、のちに任期半ばで彼を退陣に追いこむ動かせぬ証拠を提供した。

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1972年10月5日、筆者が読売新聞ワシントン支局長をしていたころ、ニクソンの「北爆続行宣言」の記者会見を取材していたときのもの。左端が著者

もうひとつは、1995〜1997年、ビル・クリントン大統領とホワイトハウス実習生だったモニカ・ルインスキーとのセックス・スキャンダルだ。

のちにスター独立検察官が発表した445ぺージにわたる捜査報告書には、「オーバルルーム脇の私的書斎などで、モニカは大統領に計9回、オーラルセックスをした。そのつど大統領は彼女を愛撫し、彼女は2回ほどオルガスムスに達した。1回は大統領は葉巻を彼女の膣に挿入した。別の時に彼女と大統領は短時間、性器と性器の接触も行った」と記録されている。


湊 和夫◎前・読売新聞ワシントン支局長・論説委員/前・お茶の水女子大学教授/前・十文字学園女子大学特任教授。1983年、ボーン上田記念国際記者賞を受賞。

文=湊 和夫 作表=長谷川 寧々 構成=石井 節子

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