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───小売はもとより、金融、製造業などでもデジタル化が進むことで、不可視だったものが可視化され、淘汰される企業も出てくるという持論をお持ちですね。

ペストやスペイン風邪など、過去のパンデミックではパラダイムシフトが起こりました。直近では、中国で爆発的にECが伸びたのはSARSのときです。京東商城 (JD.com)は、それまでリアル店舗を主体にビジネスを展開してきましたが、これを契機に大きくECに舵を切り、新たな市場で戦うための変革をやり遂げ、大きく飛躍しました。

一方、この潮流を読み取れなかった企業が淘汰されています。デジタル化が進展する中で、COVID-19が時計の針を進めた今、これまでのやり方を踏襲していると成り立たなくなるビジネスも多々出てくると思います。

───すでに変わらなければならないのに、変われていない企業も。

今回の危機では、欧米の企業の対応・変革着手の速さが目につきました。改めて、欧米の人は自分自身や自社の状況を客観的に見ることに長けていると感じました。

歴史や文化の生い立ちからか、自分の集団・民族を他人の視点でみることが訓練されており、客観的な分析に基づき合理的な判断を迅速に下しております。アクセンチュアの経営のかじ取りを見ても、常に他社視点で自社を観察しており、勝ち負けを冷静に見極めるから次の行動が早いことに気づかされます。

対比して考えると、日本には力で勝てないと、技で勝ってやろうといった発想があるように感じられます。客観的に自分の分析をするよりも、自分が勝てる要素を押し出そうとする傾向がありこれが変革を律速しているように見えます。勝てる技を基軸に組み立てるという考え方は思考の選択肢の一つですが、戦いに勝つための要素が力である場合、実際の競争では負けてしまう。

───そこで重要なのが中村さんの言う「起きている未来」を認識することですね。

パラダイムシフトが起きる前には、いろいろな場面で予兆があります。その予兆があらわになることでビジネスの変革が始まる、この予兆を的確に見ることが重要になるのです。

・「起こった未来」の把握/COVID-19で顕在化した予兆例

12の予兆
12の予兆
───これはもう業界関係なくあらゆるところで起きているということですか。

「3」の場所と体験が分離、「4」モードの時間・境界線が消失するというのは、これはもうかなり起こっていますね。そして大事なのが「起こった未来」をテクノロジーや過去の教訓を生かして「シナリオ化」することです。

文=坂元 耕二

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