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ニトリは「島忠も含め、M&Aを通じた成長の可能性を日々検討している」とコメント

「戦々恐々? いえ、異業種であるニトリによる買収を期待する声は少なくないですよ」と語るのは、ホームセンター経営者である。

コロナ禍の「巣ごもり消費」で各社業績を上げているホームセンター業界。ここで目下話題となっているのは、家具日用品大手のニトリホールディングスによる「島忠買収」報道だ。

島忠は首都圏を中心にホームセンターなどを展開し、売上高1466億円(2020年8月期)。ニトリは21日、「島忠も含め、M&Aを通じた成長の可能性を日々検討しているが、現時点で決定している事実はない」とのコメントを発表。一方、ニトリよりも先にホームセンター大手DCMホールディングスが株式公開買い付け(TOB)を実施中である。DCMの島忠争奪戦を同業者たちはどう見ているのか。取材を始めると、冒頭のように「期待」という声が聞こえてきた。

ニトリはホームセンター業界の「敵」ではない


株式公開買い付けには2種類あり、買収される側の同意があれば「友好的TOB」、なければ「敵対的TOB」となる。DCMは既に、島忠の経営陣の賛同を得て「友好的TOB」を実施中だ。そのため、もしニトリが島忠の子会社化へと乗り出せば、それは島忠の横取りを目指す「敵対的TOB」になるとの見方もある。

ニトリの買収に期待するのは、各ホームセンターへと商品を納品している卸売業者などだ。

「もしDCMが島忠を買収することになれば、DCMは低価格での仕入れを実現するために、同じ商品であれば仕入れ先の統合へと向かうと思います。つまり、これまで島忠に納品をしていた問屋と、DCMに納品をしていた問屋とのあいだで天秤にかけられ、より安い卸値を提示できた方に仕入先が一本化されることになるわけです。工具や塗料の卸売業者からすれば、島忠がDCMの子会社となることで、大きな取引先をひとつ失う可能性があるのです」(卸売業者)

ところが、ニトリの場合は業態も異なり、さらに商品の約90%が自社で企画したプライベートブランドだ。島忠とのあいだで扱う商品は大きく異なるため、納品している商品のバッティングが起こらないどころか、ニトリが新たな取引先となり、「数百店舗に新たに納品できるのではないか」(同前)という期待さえ生まれる。これが業界内からニトリのTOBを期待する声が聞こえてくる理由のひとつだ。

文、写真=渡邊雄介

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