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郊外を中心に店舗展開をしてきたニトリにとって、都市部に大型店をもつ島忠はM&Aの相手としては魅力的だと指摘される一方、店舗立地が補完的な関係にある以外、両社のあいだにシナジーはほとんど見込めないのではないかという分析もある。ニトリのホームセンター業界への参入は、業界全体としてみた場合にはポジティブな側面はあるのだろうか。

ニトリは10月2日、2020年3~8月期(第2四半期)の連結決算を発表し、最終的な利益が497億円と、中間決算としては過去最高を記録。この背景の一つには、新型コロナウイルスの影響で自宅で過ごす人たちの「巣ごもり需要」があったと言われている。ニトリの商品でいえば、キッチン用品が好調だったほか、リモートワークの増加から机やイスといった家具の販売が伸びた。

帝国データバンクのレポートによれば、新型コロナの感染拡大に伴い「巣ごもり消費」は今後も続くとみられており、ガーデニング需要の高まりからも、DIY資材など、ホームセンターが得意とする商品の販売には引き続き追い風が吹くことが予想されている。

ニトリからすれば、島忠を子会社化することで、DIYや園芸などの分野のノウハウを一挙に手に入れることができるメリットは少なくない。また消費者にとっても、ニトリのような店舗でDIY関連商品の取り扱いが増えれば、今までの暮らしの延長線上にDIYがあると感じやすくなるだろう。ホームセンター業界の関係者は次のように語る。

「今はコロナ禍によって多くの人が『暮らしづくり』に向き合ってきた段階です。このチャンスを活かして、業界としてはDIYをひとつの大きな市場へと育てていくことが重要です。このタイミングでニトリさんのような『暮らしの提案』を続けてきた企業が参入するならば、業界の活性化という意味で期待できる部分が大きいと思います」

ニトリ参入なら、脅威を感じるのはカインズ?


その上で、ニトリのホームセンター業界への参入に脅威を感じている企業があるとすればどこが考えられるだろうか。もちろん、ニトリがTOBに名乗りでることによって、TOB不成立の可能性が出てくるDCMはその筆頭であるが、同関係者によればそれだけではない。

「ホームセンター業界の中で、ニトリの参入を一番警戒していると思うのはカインズです。商品の独自性やブランドづくりといった観点からみて、カインズはDCMやコーナン商事のような他のホームセンターを競合であると捉えていないはずです。実は、もともとカインズがベンチマークとしていたのは、無印良品やニトリのような企業なんです」

文、写真=渡邊雄介

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