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イーロン・マスク(Maja Hitij / by Getty Images)

テスラが10月21日に発表した第3四半期(7月〜9月)決算は、5四半期連続で黒字となった。モデル3とモデルYの販売台数の伸びや、環境規制に対応する温暖化ガスの排出枠(クレジット)の他社への販売が寄与し、純利益は過去最高の3億3100万ドル(約346億円)となった。

カリフォルニア州パロアルトに本拠を置くテスラの、四半期ベースの売上高は、前年同期比39%増の87.7億ドルだった。同社は4〜6月期の決算でもクレジットの売却収入として4億2800万ドルを計上していたが、今四半期も3億9700万ドルに及ぶ他メーカーへのクレジット販売額が利益を底上げした。

カリフォルニア州は、自動車メーカーが州内で自動車を販売する場合、EVなどの排出ガスを出さない無公害車を一定比率以上販売することを義務付けている。基準を達成できないメーカーは、罰金を支払うか、他のメーカーからクレジットと呼ばれる排出枠を購入しなければならない。

テスラはこのクレジットを他社に販売し、莫大な利益を上げている。売却益の今年の累計は既に11.8億ドルに及んでおり、2019年の実績の2倍に達している。

同社は、10月初旬に新車販売台数が前年同期比44%増と、過去最高を記録したことを明らかにしていたが、これには、20億ドルを投じて建設した上海の新工場が寄与しているという。

同社は、ベルリンとテキサス州オースティン近郊にもギガファクトリーを建設中で、建設費はベルリンが40億ドル、オースティンが10億ドルになる見込みだ。中国の工場新設で生産能力は強化されたものの、年内に50万台を販売するというイーロン・マスクの目標を達成できるかは不透明だ。

テスラは、投資家向け書簡で次のように述べている。「我々は、年内に50万台を販売するために必要な生産能力を確保した。これは困難な目標だが、引き続き達成を目指していく。目標達成において鍵となるのは、モデルYの四半期ベースでの販売台数増加や、上海工場の生産能力、そして販売量の増加に対応した物流の効率化だ」

第3四半期の業績は、多くの指標がアナリスト予想を上回り、株価は時間外取引で3.3%上昇して436.75ドルをつけた。

しかし、テスラの営業利益率は9.2%と、市場予想を僅かに下回った。この主な要因は、利益率の低いモデル3とモデルYの販売割合が増え、高級EVであるモデルSとモデルXの割合が低下したことにあるとアナリストは指摘した。

今後の課題は「年内50万台」の販売達成


今後は、第4四半期の販売実績に注目が集まっている。同社は、これまで年内に50万台を達成することを目標に掲げてきたが、最近になってトーンが弱まっている。目標を達成するためには、第4四半期に約18万台を販売する必要がある。

テスラの第3四半期末時点の現金残高は145億ドルあり、「必要な資金を十分確保できている」と同社は述べた。

「現在、上海とベルリン、テキサス州のギガファクトリーでモデルYの生産体制を構築しており、予定通り2021年から生産を開始できる見込みだ。EVトラックのTesla Semiも2021年から生産を開始する」とテスラは述べた。

新型コロナウイルスのパンデミックにもかかわらず、イーロン・マスクの資産は今年に入って大幅に増加している。その大きな理由は、マスクが25%保有するテスラ株の上昇だ。フォーブスは、10月21日時点でのマスクの資産額を887億ドルと推計している。

編集=上田裕資

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