ハイファッションに特化した中古品の委託販売事業を手がけるリアルリアル社(RealReal)は、4千万ドル(約48億円)の資金調達を行ったことを発表した。ユーザーが委託したブランド品のリセールを手がける同社は2011年に米国でサービスを開始。2013年8月には日本にも上陸している。
創業者の女性CEO、ジュリー・ウェインライト氏(57)はかつて、ドットコムバブルの時代にReel.com や Pets.com を成功に導いた人物。リアルリアル社は昨年1億ドル以上の売上を計上。今年はさらに倍の売上を見込んでいる。
今回の資金調達はIndustry Venturesが主導。これまでの調達額の累計は8300万ドルにのぼる・リアルリアル社のプラットフォームは、シャネルやロレックスなどのブランド品を売りたい個人にとって、イーベイなどの大手にとって代わる存在として注目を浴びている。
「今後はアマゾンやウォルマート、アリババなどの企業と競争するため、深い戦略を持つ必要を感じています」とウェインライト氏は語る。
リアルリアル社は出品者から品物を受け取り、自社の倉庫に保管する。バーバリーのコートやトム・フォードの靴といったアイテムの出品者は、オンラインの販売価格の60から70パーセントの金額を受け取るというビジネスモデルだ。
高級ブランドのEC事業は今後、さらなる成長が期待される分野。先月は有力サイトのネッタポルテとユークスが合併を発表したことも話題になった。ウェインライト氏は「高級ブランド市場は米国で年間700億ドルの規模だが、オンラインでの販売はまだ、その10パーセント未満に過ぎない」と述べている。
今回の調達資金は同社のオペレーションや、在庫の拡大のために使用される。最近はアートの販売も開始したリアルリアル社だが「主力はあくまでもファッションであることは変わらない」とのこと。
「オンラインでファッションブランドを創出することは非常に難しい。その一方、オンラインでファッションをビジネスにしようとする者には多くのチャンスが広がっています」とウェインライト氏は語っている。