ポスト紙は独自に入手したEメールやテキストを引用し、バイデンの長男のハンター・バイデンが、父親の影響力を利用し、ウクライナと中国で事業を行っていたと指摘した。同紙はさらに、バイデン候補がそこから利益を得たと主張した。
ポスト紙はさらに、ハンター・バイデンの個人的な写真を紙面で公開し、彼が薬物中毒の問題を父親のジョー・バイデンに相談したと報じた。ただし、問題の記事を執筆した記者は、情報源の信頼性に疑問を呈し、クレジットをあえて掲載しなかった模様だ。
問題のEメールやテキストメッセージは、トランプの顧問弁護士のルディ・ジュリアーニが入手したハードディスクに格納されていたものだが、彼は証拠を提示せずに、「そこには大量の未成年少女の写真が含まれていた」と示唆した。
ポスト紙は、この記事が事実である根拠をほとんど提示しておらず、入手したファイルが本物であるかどうかを確認したか否かも不明だ。彼らが報じたスキャンダルは、個別のEメールの断片を引用し、推測を加えたもので、明確な証拠を示さずにジョー・バイデンと息子の疑惑を伝えている。
他の大手メディアも、ファイルが本物であることを確認していない。
ポスト紙の兄弟企業であるフォックス・ニュースは、ハンター・バイデンの元ビジネス・パートナーであると主張する人物にインタビューを行い、ポスト紙の報道の一部を確認しようとしたが、彼は確固たる証拠を示さずに、バイデンが息子のビジネスに関与したと話すのみだった。
問題のファイルを入手した経緯についてポスト紙は、昨年デラウェア州のコンピューター修理工場に残されたノートパソコンから発見されたもので、その店のオーナーがハードディスクのコピーをFBIとジュリアーニに渡したと主張している。
しかし、専門家の多くはこの話の信頼性に疑問を抱いており、店のオーナーがトランプ支持者だったとの報道もある。
フォーブスはこの件でジュリアーニにコメントを求めたが、回答は得られていない。
海外からの選挙介入の可能性
バイデン陣営は、この報道を「中傷キャンペーン」と呼び、バイデンが息子のビジネス関係者と会ったことを否定した。しかし、彼らは特定の事柄について議論することを避けており、ポストが入手したファイルが本物であることを否定していない。フォーブスは、バイデン陣営にコメントを求めたが、回答は無かった。
トランプと彼の支持者らは、バイデン家の汚職疑惑を何年もかけて訴えてきた。しかし、共和党の上院議員もバイデン親子とウクライナとの繋がりを調査したが、有力な証拠は発見出来なかった。
一部のオブザーバーらは、ポスト紙が入手したファイルが、外国からの選挙への介入活動に関連するものかもしれないと述べている。
報道によると、FBIはこの説を調査中とされるが、ジョン・ラトクリフ国家情報長官は先日、この見方を否定した。米国の情報当局は昨年末、ロシアがジュリアーニを利用して偽情報を広めようとしているとトランプに警告を行ったが、トランプはその警告を無視したと報じられた。