本業以外を活性化させることがポイント。市場規模15兆円への「逆転シナリオ」を探る

2018年から開催しているForbes JAPAN SPORTS BUSINESS AWARDが今年も開催された。 "アスリートの能力やスポーツの楽しさ"と"異なる分野"を掛け合わせる「新結合」をテーマに、新しいスポーツの価値を生み出す挑戦者たちを称えるイベントだ。編集部からの推薦および公募をもとにアドバイザリーボードにより議論をし、授賞企業を決定。そして9月16日には表彰式とトークセッションからなるイベントを開催。さまざまな視点からスポーツビジネスの成長の可能性を探った。


まずは数字の話から紹介しよう。9月16日、オンライン中継された本誌スポーツビジネスアワードでのこと。スイスから参加していた岡部恭英(「TEAMマーケティング」アジア・パシフィック地域統括責任者)がこう切り出した。

「デロイトトーマツの『Football Money League』という世界のサッカークラブ収益ランキングがあります。ここに福岡ソフトバンクホークスの売上高を当てはめると世界16位。ACミランより上位です。野球と単純に比較はできませんが、ホークスの稼ぐ力はグローバルでも賞賛されるべき数字です」

ホークスは2020年2月決算で日本のプロスポーツ史上最高となる売上高324億9300万円を記録した。世界に冠する欧州サッカーと違い、日本のプロ野球のマーケットは日本国内限定である。それなのに、ホークスはどうやって稼いだのか。そこに今回のスポーツビジネスアワードのテーマ「稼ぐ力」のヒントがあるのではないか。

公募・推薦の115社から選ばれた受賞企業は、単純に売上高の大きさで決まったわけではない。規模や業種を問わず共通するのは旧来型のビジネスから脱却している点。Forbes JAPANの特設スタジオに登場した各社代表にその工夫を聞いた。



<受賞企業リスト>

グランプリ GRAND PRIX
福岡ソフトバンクホークス株式会社

奨励賞 INCENTIVE AWARD
株式会社SPLYZA / SPLYZA Teams

NO.1
新日本プロレスリング株式会社

NO.2
株式会社SC鳥取 / Shibafull(しばふる)

NO.3
株式会社NTTSportict(NTTスポルティクト) / NTTSportict

NO.4
一般社団法人日本野球機構(NPB)&
公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)/ 新型コロナウイルス対策連絡会議

NO.5
ミズノ株式会社 / ミズノヘキサスロン運動プログラム

NO.5
株式会社ユーフォリア / ONE TAP SPORTS
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text by Forbes JAPAN / photographs by Ko Sasaki

この記事は 「Forbes JAPAN No.076 2020年12月号(2020/10/24発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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