『TIME』誌上で紹介されたときの写真からも、メディアが近藤を「クラフトマンシップ」の具現として紹介しようとしたことが歴然だ。
通常は、大きく「顔」が強調される写真が掲載されるのに対し、近藤の場合は、顔ではなく、赤い布に添えた「手」が強調されている。そして、「手」こそ、「クラフトマンシップ」の象徴である。
Bobby Doherty—New York Magazine
彼女はまさに、欧米が彼女に期待するイメージ「職人」にピタリ、応え得たのである。
近藤はこうも言っている。「私の目的はこの世から片づけを終わらせることです。そのためには100万部じゃ足りないんです」。
単なる「目的」でなく、深遠な「ビジョン」を持つこと。ビジョンの下、ひとつひとつのタスクをこなしていくこと。それができる「著者」だったからこそ、土井もピン!ときて、「GO」できたのだろう。
(後編に続く)