この前日には、複数の州の民主党支持の有権者に対し、「ドナルド・トランプ大統領に投票しろ、“さもなければ”…」とする脅迫メールが送信されていたことが明らかになっている。また、2週間前には連邦当局が、ミシガン州のグレチェン・ウィットマー知事の拉致計画があったことを公表している。
メリーランド州の地方裁判所に10月21日に提出された刑事告訴状によると、ジェームズ・デール・リード容疑者は同州フレデリックで同月4日、庭にバイデン候補とハリス候補を支持することを示す看板を立てていた民家に、手書きの脅迫状を残して立ち去った疑い。
脅迫状には、バイデン候補とハリス候補を拉致、暴行し、殺害する様子をテレビで生中継すると書かれていたほか、両候補とその支持者に向けた暴力的な言葉が記されていたという。その文面は、次のような内容だ。
「この手紙を読んだすべての者に警告する。もしバイデンとハリスを支持するなら、お前たちも標的になる。選挙用の看板をもとに、支持者の住所を書いたリストを作っている。われわれは恐ろしい銃を持っている。お前たちの子供が悪夢にみているのは、われわれのことだ。夜になれば、ブギーマン(殺人鬼)が訪れる」
告訴状からは、リード容疑者が実際に脅迫文に書いた内容を実行しようと行動していたかどうかについては、明らかではない。だが、同容疑者は2014年にも、シークレットサービスの保護下にある人物を脅迫したことがあるという。
当初は関与を否定していたリード容疑者は、指紋の採取や手書き文字の分析が行われた後、15日になって犯行を認め、逮捕された。脅迫状を書いたのは、現在の政治情勢に腹を立てていたためだという。有罪が確定すれば、最長5年の禁錮刑が言い渡される可能性がある。