素行不良だった僕が、今や会社をデザインする立場に。試行錯誤を繰り返して手に入れたマネジメント手法


はじめてのマネジメントは散々な結果に。「言う通りにしない部下が悪い」と考えた、僕の落ち度


僕がはじめてチームリーダーに選ばれたのは、リーマンショックの最中でした。先輩3人、同期2人の小さなチームで、当時は自分の仕事の進め方が一番正しいと思い、他のメンバーにも強要していた。

結果は散々。反発が生まれ、業績は全国で最低ランクになってしまいました。

それでも僕は態度を改められなかった。当時は個人で売上1位を獲得していたので、自分の方法論に固執してしまったのかもしれません。「俺の言うとおりにしない奴が悪い」と考え、チームはますますギクシャクしていきました。

事態が好転したきっかけはチームメンバーの結婚式でしたね。自宅で過ごす女性メンバーの姿がウェディングムービーに流れ、雛壇の旦那さんは「妻は忙しくて家事をしてくれません」と冗談混じりに話していました。

なんかこう、すごくやるせない気持ちになって。仕事以外の、メンバーの日常の一場面を見たことで、誰もが仕事を最優先にしているわけではないと気づきました。

当時の僕は仕事一辺倒でしたが、家族と過ごす時間や余暇を大切にしたい人もいます。

そんな当たり前のことに当時の僕は気付けていなかった。それからは態度を改め、メンバーと対話して個々が大切にしている価値観を聞き、そのうえで要望を伝えるようにしています。

チームの雰囲気は徐々に良くなって、僕のアドバイスも取り入れてくれるようになり、半年後には売上目標の達成率を全国1位にすることができました。



「独裁制」に「大統領制」、様々な手法を通してチームのあり方を模索する


その後も僕は、様々なチームでマネージャーとして働いてきました。

職務のなかでは色んなマネジメントの手法を試しましたね。先に話した上司のマネジメントはメンバーを叱り、絶対的な規律を敷いて徹底的に管理する「独裁制」でした。僕はそれで苦労したので同じ道は歩みたくはなかったけれど、頭ごなしに否定してはいけないと思い、「独裁制」も試してみました。

そのほかにも「専制君主制」「大統領制」など、様々なチームのあり方を模索しています。

「専制君主制」はマネージャーの影響力を残しつつ、個々のメンバーに自律的に動いてもらう手法です。ミッションやKPIなどで行動を縛り、1から10まで指示はしません。

「独裁制」より厳しくはありませんが、僕の言動やミッションを絶対的なものだと位置付け、仕事に使命感を感じさせていた。そのため、多少無茶なKPIでも頑張って達成してくれました。

企業のブランディングや採用活動に役立つ情報を配信中
次ページ > 入社7年目、最年少で部長に。80名のチームを抱える

文=鈴木雅矩

ForbesBrandVoice

人気記事