ローマ教皇がLGBTQの「家族を持つ権利」を支持、タブーに反発の発言

フランシスコ教皇 / Getty Images

ローマ教皇フランシスコは10月21日、同性愛者の事実上の結婚を社会的に認めるべきだと発言した。カトリック教会の教義で同性愛はタブーとされているが、フランシスコは教皇としての立場から初めて、LGBTQカップルの結婚の合法化を呼びかけた。

AP通信によると、教皇は21日にイタリアで公開されたドキュメンタリー映画の中でこの発言を行った。フランシスコは同性カップルを法的に保護し、家族を持つ権利を保証するパートナーシップ制度の「シビルユニオン」への支持を表明した。

教皇はさらに、ゲイのカトリック教徒を「神の子どもたち」と呼び、彼らが疎外されてはならないと述べた。

「シビルユニオン法の制定が必要だ。それにより彼らは法的に保護される。私はこの法律の施行を擁護する」と彼は、エフゲニー・アフィネフスキー監督作のドキュメンタリー映画「Francesco」の中でコメントした。

これまでのローマ教皇たちは、LGBTQに関するトピックに敵対的な立場をとることが多く、他のキリスト教の教派や多くの国の世論と対立していた。フランシスコの前任者であるベネディクト16世は、同性婚が反キリスト教的であると述べ、ヨハネ・パウロ2世はLGBTQの権利を求める動きを繰り返し批判していた。

教会はまた、米国などでの同性婚合法化を阻止するロビー活動を行ない、カトリック教徒らに結婚の平等策に反対するよう働きかけを行っている。

フランシスコ教皇は、かつてブエノスアイレスの大司教を務めていた時代から、同性愛者たちに理解を示してきた。フランシスコがLGBTQカップルの法的保護を訴えたことは、近年の教会の歴史に残る出来事だ。

2019年のピュー研究所の世論調査によると、同性婚を支持するアメリカのカトリック教徒の割合は61%に達していた。これは米国のカトリック教徒の大多数が、教会の公式教義と対立していることを意味している。

編集=上田裕資

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