このランキングは、全国47都道府県を対象に、2017年~2019年の10月1日~12月31日で、気温の前日差・1週間積算気温差・1日気温差・屋内外気温差などの要素をふまえた「寒暖差肌荒れ指数」をもとに各都道府県の寒暖差を数値化し、寒暖差肌荒れに注意すべき県をランキングにしたものだ。
全体の傾向
ランキング全体の傾向として、北の地域→南の地域、内陸部→沿岸部、太平洋沿岸および瀬戸内沿岸→日本海沿岸の順で、上位から下位に分布する傾向がみられる。
ランキングが上位の地域には、1)寒冷地を中心とした”屋内外気温差”および”1週間積算気温差”のポイントが大きい地域、2)内陸を中心とした”1日の気温差”および”最小湿度※1”のポイントが大きい地域、の大きく2種類の寒暖差肌荒れ注意度の特徴が見られた。
東京都は24位と一見心配がいらないように思われるが、解析対象期間中の半分近くで湿度が低く、1日の気温差が10℃を超える日もあるため、注意が必要な地域と言える。また、群馬県2位、山梨県3位、埼玉県4位、栃木県6位と、長野県8位と、全体の10位以内に関東北部、甲信地方の”海なし県”が集中的にランクインする結果となった。これらの場所から通勤する人を中心に、日ごろの寒暖差に気をつけるべきかもしれない。
ランキング詳細結果
■季節の変わり目の寒暖差肌荒れとは?
資生堂の研究結果で、季節の変わり目や室内外の行き来といった急激な寒暖差により、肌のバリア・保湿機能に重要な酵素のひとつであるカスパーゼ14が減少し、肌荒れの原因になることが分かった。特に、暖かい気候から寒くなり、寒暖差が大きくなるほど、直接的に肌に悪影響をもたらす要因となる。(※2)
第1位 北海道
1週間積算、前日差、屋内外気温差と3つの分野で1位となった。秋~冬にかけて全国で最も早く、かつ急速に気温が下がり、気温差が大きくなる地域だ。
【考察】
・1週間積算気温差:1位(-7℃未満になった日が61%)
・調査対象期間における前日差の下降幅:1位(10.4℃)
【対象日】
・2019年11月24日の平均気温:11.8℃
・2019年11月25日の平均気温:1.4℃
・前日差:-10.4℃(全国で唯一、平均気温の前日差が10℃を超える日があった)
・屋内外気温差(推定):1位(10℃以上となる日が72%)
第2位 群馬県
1位になった要素はないものの、各要素で高いランクとなり総合で2位となった。北部・東部・西部は高い山々によって三方を取り囲まれ、南東部のみ関東平野に向かい開けている起伏の多い複雑な地形は、冬のからっ風など群馬県の気候に大きな影響を及ぼしている。
【考察】
・日最小湿度(乾燥):2位(日最小湿度が45%未満の日が64%)
・1日気温差:11位
(1日の中での気温差が5℃以上の日が75%、10℃以上の日が12%)
・1週間積算気温差:9位(-7℃未満になった日が37%)
・屋内外気温差(推定):17位(10℃以上となる日が38%)
第3位 山梨県
日最小湿度が1位、1日気温差が2位となり、全国3位にランクインした。盆地特有の冬の乾燥と、温まりやすく冷えやすいゆえの昼夜の気温差の大きさから、ランキングが高くなりやすい地域だ。
【考察】
・日最小湿度(乾燥):1位(45%未満の日が68%)
・1日気温差:2位(気温差が5℃以上の日が79%、10℃以上の日が24%)
資生堂は、本ランキングの発表により、季節の変わり目の肌に悩む女性にむけて、寒暖差による肌荒れ対策を啓発していく。
「寒暖差肌荒れ指数」とは
本指数は、資生堂の研究知見を活用し、資生堂ジャパンと一般財団法人 日本気象協会が共同で開発し、天気予報専門メディア「tenki.jp(てんきじぇーぴー)」にて公開している。秋冬の日々や屋内外の気温と湿度の状況から、肌の乾燥・肌荒れに対するリスクレベルを 5 ランクに分けており、日本気象協会の保有する気象コンサルティングのノウハウを元に、前日との気温差や一週間を通しての気温差など、さまざまな期間の気温差や湿度のデータと、資生堂の持つ肌や美容に関する研究結果などの知見を加味して、指数を算出している。
本指数の更新は1日12回で、当日・翌日・週間の情報を発表。また、本指数の提供期間は2021年3月31日(水)までを予定している。
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※「tenki.jp」は、一般財団法人 日本気象協会の登録商標(登録第6129427号)です。
※1:最小湿度は、一日を通して観測すると、一番小さな値になるときの湿度を指しています。
※2:3次元培養皮膚モデルにてマイナス8℃の温度低下刺激の条件で確認