レッドブルが大学生を対象に世界を変えるアイデアの実現と次世代イノベーター育成を目指すプログラム「Red Bull Basement(レッドブル・ベースメント)」の参加者を10月25日まで募集している。3年目の今年は、37カ国の学生を対象に拡大。各国で審査され、代表に選ばれると12月に開催されるグローバルワークショップに招待される。
今回は初めて、日本限定で、リンクトインとコラボレーションし、プログラムに参加する学生向けのコミュニティを展開する。学生と企業をマッチングさせる狙いもある。
「Red Bull Basement」の昨年の様子。グローバルワークショップは、世界中の学生が繋がる場になる (c) Ryan Bolton / Red Bull Content Pool
2018年に始まった「Red Bull Basement University」。昨年は24カ国で1580組もの世界の学生から応募があった。ファイナリストには、キャンパス内で歩くだけで、電気が発電される床下の圧電グリッドシステムのアイデアを発表したインドの学生などが選ばれた。現在は、Google Indiaとプロトタイプを開発中という。学生のアイデアだけで終わらず、企業との協業で実現までサポートするのが特徴だ。
コロナ禍において就職活動にも大きな影響が出ており、将来に不安を感じている学生も多くいるだろう。リンクトイン日本代表の村上臣に、変化する就活事情とイノベーターを目指す学生へのメッセージを聞いた。
──今回、なぜレッドブルと協業して、学生コミュニティを作ろうと思われたのでしょうか。決め手を教えてください。
リンクトインでは、日本のみならず、世界で働く全ての人に経済的なチャンスを作り出すというビジョンを持っており、グローバルに7億人のメンバー(ユーザー)がいます。社会人として活躍している方だけでなく、ビジネスの世界に踏み出そうとしている学生の皆さんにも積極的に活用していただきたいと思っています。
リンクトインは転職活動に使われているイメージがあると思いますが、私たちはプラットフォーム全体を「ビジネスコミュニティ」と捉えて展開しています。世界を変えるアイディアの実現と次世代イノベーターの育成を目指す「Red Bull Basement」において、グローバルに羽ばたいていく若者を応援したいという両社の思いが一致しました。
──学生ユーザーは、リンクトインをどのように活用しているのでしょうか。
コロナの影響もあり、直近1年間で学生の登録者数は約23%増加し、学生の活用がアクティブになってきている印象を持っています。日本では、学生のなかでは国立や私立大学のトップ校の層が大半を占めており、グローバル志向が高まっているように思います。
これまでも中途、新卒に限らず、日本の企業が採用活動において海外の日本人留学生など、グローバル人材にアプローチをするために使われてきましたが、最近は学生自身が能動的に活用し始めています。
例えば、日系企業だけでなく外資など、グローバル企業を目指している学生が、リンクトイン上で企業情報を得たり、リクルーターやOBOGだけでなく海外勤務の人の話を聞いたり。インターンを募集していない企業で働きたいと学生から直接アプローチして、インターンをすることができたという例も出てきています。「全ての人に機会を作る」という私たちのビジョンにもマッチしていて嬉しく思っています。