ビジネス

2020.10.22

マイクロソフト、次期CEOに「女性や黒人を検討」と表明

サティア・ナデラCEO(Abdulhamid Hosbas/Anadolu Agency/Getty Images)

マイクロソフトは先日、SEC(米国証券取引委員会)に提出した書類の中で、サティア・ナデラCEOの後任に、女性や人種マイノリティの候補者を積極的に検討すると述べた。同社の動きは、大手テック企業のダイバーシティに向けた取り組みの中で、最も明快なものと言える。

CNBCの10月20日の記事によると、マイクロソフトは年次委任声明の中で、同社の取締役会が「高い評価を獲得した女性やマイノリティグループ出身の個人を、積極的に探し出し、CEO候補者のグループに加えることを約束した」と述べている。

企業が年次書類にCEOの後継者について記載するのは慣例であり、今回の声明にナデラの退任が差し迫っているとの記述は無い。しかし、この書面にダイバーシティに関する文言が盛り込まれるのはかなり稀だ。

今年夏に起きたジョージ・フロイドの死に起因する抗議行動を受けて、マイクロソフトは2025年までに米国で黒人管理職とシニアリーダーの数を倍増させると宣言していた。

マイクロソフトの2019年のダイバーシティ・レポートでは、同社の社員に女性が占める割合は29.2%で、黒人が4.4%、アジア人が33.3%、ラテンアメリカ系が6.2%だった。

米国企業のダイバーシティの欠如は以前から指摘されていた。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、S&P 500企業の経営を率いる女性は32人で、エスニックマイノリティ出身者は11%に過ぎないという。

ダイバーシティの推進派はその背景に、企業内の様々な問題を指摘しており、女性や人種マイノリティの人々の多くが、CEO職への登竜門とはならないマーケティング部門や人事部門に振り分けられていると述べている。

編集=上田裕資

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