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I write for Forbes with an outsider's inside perspective on Norway & Scandinavia.

Photo by Thierry Monasse/Getty Images

新型コロナウイルスの世界的流行により平時では前代未聞の厳しい渡航規制が続く中、これまで頻繁に旅をしていた人の多くは航空機利用の再開を切に待ち望んでいる。だがそんな人は、フライトが恋しいがあまりに、地元スーパーで割高の機内食を購入したいと思うだろうか? 欧州のある航空会社は、そう考えている。

フィンランドの首都ヘルシンキ近郊にあるスーパー「Kシティマーケット・タンミスト」では最近、フィンエアーのビジネスクラス機内食を再現した「Taste of Finnair(フィンエアーの味)」シリーズの試験販売が始まった。メニューは一定期間で変更されるが、初回版はトナカイのミートボールやホッキョクイワナ、照り焼きビーフなど、北欧料理と和食を融合させた内容で、価格は10~13ユーロ(約1200~1600円)。試験が成功すれば、販売店舗の拡大も計画されている。

一味違うビジネスクラス機内食


高度が高い場所では味覚が鈍るため、機内食には多くの塩や香辛料が使われている。Kシティマーケット・タンミストの店長によると、同店で販売される機内食は塩と香辛料が減らされているという。

同スーパーはヘルシンキ近郊バンターに位置し、同国の主要国際空港からも非常に近い。店長はフィンランド通信社イルタ・サノマットに対し、「最近は誰しもが、旅心を少し誘われているはずで、その欲求を少し満たすことができる」と述べた。

職の確保へ


フィンエアーの今年9月の乗客数は前年から91%減少し、わずか11万5500人だった。しかしさらに懸念すべきなのは、乗客数が前月比で40%減少したことだ。同社は、乗客の少なさの原因はフィンランドの「極めて厳格な」渡航規制にあるとしている。

機内食販売の試みを始める理由の一つは、子会社のフィンエアー・キッチンで働く従業員の職を守るためだ。同社は、ヘルシンキ空港を利用するフィンエアー便やその他の商業・貨物便に機内食を提供している。メニューは、北欧・アジア両地域のシェフたちからなるチームが開発。新型コロナウイルスによる規制が実施される前、フィンエアーの長距離便はこの2地域を結ぶ便に注力していた。

フィンエアー・キッチンのマリカ・ニエミネン副社長は、既に多くの従業員が職を失ったものの、この新プロジェクトによりシェフの雇用は維持できるかもしれないと語る。「さまざまな形で渡航が制限されている中、家庭でフィンエアーを体験し、日々のぜいたくを持つ機会を提供したい。また同時に、フィンエアー・キッチンの従業員の大半が職を失った一方で、バンターで雇用されているシェフの職を維持できる。新たな試みを通し、従業員に仕事と雇用を提供することができる」

フライトの体験を再現


他の航空会社も、新型ウイルス流行中に常連客を満足させる試みに取り組んでいる。タイ国際航空は自社が使用している飛行シミュレーターを一般向けに公開。台湾のスターラックス(星宇)航空は、国内の空港を離陸し同じ空港に戻ってくる「目的地のない便」を運航した。

編集=遠藤宗生

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