新型コロナ、今年の超過死亡数への影響は?

Photo by John Moore/Getty Images

米国医師会雑誌(JAMA)に先日掲載された報告書では、米国と18の先進国における2020年の新型コロナウイルス感染症の死亡者数と、原因を問わない超過死亡数が比較された。

新型コロナウイルス感染症のみを原因とした死亡者数を見てみると、パンデミック(世界的大流行)の始まり(調査では2020年2月13日)から2020年9月19日までの米国での10万人当たりの死亡者数は60.3人だった。

これは、特にドイツ(11.3人)やカナダ(24.6人)など、他の分析対象の国と比べると高い数字だが、一部の国の死亡率は米国よりも高く、ベルギーは86.8人、英国は62.6人だった。ただし、6月7日以降の新型コロナウイルス感染症による住民10万人当たりの死亡者数を比べると、ベルギーの4.2人、カナダの4.0人に対し米国は27.2人で、米国は他の全ての対象国よりはるかに死亡率が高かった。

それでは、原因を問わない超過死亡数はどうだろう? 米国の今年の全体的な死亡者数は、人口規模を調整するとドイツやイスラエル、デンマークなどの一部の先進国よりも85%以上高かった。また、感染者数が100万人につき1人を超えた地点から2020年7月25日までの期間を2015~19年の同じ期間と比べた場合、米国の10万人当たりの超過死亡数は71.6人で、スペインは102.2人、英国は94.5人、ベルギーは67.8人、フランスは51.5人、カナダは13.3人、ドイツは10.0人だった。

同じ数字を5月10日以降で見てみると、米国の超過死亡数は人口10万人当たり31.2人で、他の国よりも著しく高かった。また、完全なロックダウン(都市封鎖)を避けたことで批判を浴びたスウェーデンは米国に続き超過死亡数が多く、14.9人だった。

米国での感染者数は増加を続け、欧州が第2波と闘う中、報告書に挙げられた全ての国における超過死亡数は、年末までに悲惨な数に達するだろう。

翻訳・編集=出田静

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