清水氏のアドバイスから、「見返りを求めない」、「損得勘定抜きに行動する」ことで手に入る心の平安、そして備わる「人としての品」について考えてみたい。
そもそも、「一流」の定義とはなんでしょうか?
人を「一流」や「二流以下」に分類することにはあまり意味がありませんし、したくもないのですが、いわゆるトップリーダー、社会的に「意味のある功績」を残している人々、ある専門分野における経験・知識に全幅の信頼を寄せられている人々、あるいは社会の表舞台には立たなくとも、世界をポジティブな方向に動かすそういった人々を陰で支えている人たちが、実際に「一流」の雰囲気をまとっていることが多いのもまた事実と思います。また肩書きだけでなく、その振る舞いや気くばりなど人間的な部分で人を惹きつける魅力があるのも特徴です。
ファーストクラスにそのような人たちの割合が高いので、「ファーストクラスの乗客」と総称的な表現をすることも多いのですが、もちろんクラスに関係なく「一流」の方は存在します。ここでは、私が機内でご一緒してきた中で、そのような「ハイクラスの品格」を身にまとった紳士、淑女のみなさんの例を引きながら、お話をしたいと思います。
私は現役CA時代、とくにVIPのお客様は皆、「自分軸で過ごし方をクリエイトしている」ことに気づきました。機内でも驚くほど完璧に、オーガナイズ(計画化)された過ごし方をされているのです。損得勘定がない、見返りを求めないことも、そういった社会的に「ハイクラス」の、「超一流」のオーラを漂わせた方々の共通点でした。
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ファーストクラスのお客様の機内での過ごし方を見ていると、損得よりも「自分がいかに平和に快適に過ごせるか」を重要視されているように感じます。当初は「お金がある人は違うな」と他人事のように思っていたのですが、次第に、損得勘定と引き換えに自分軸や本当の意味での快適性を失っているということに気付くようになりました。ここでは、ファーストクラスのお客様が見返りを求めない理由を機内でのエピソードと共にご紹介いたします。