ファーウェイの次を狙うOPPOと中国「BBKグループ」の野望

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シャオミは、この目標が実現可能であることを示して見せた。皮肉なことに、シャオミと並んでOPPOの競合となるのは、同じくBBK傘下のヴィーヴォだ。両社ともアジア圏以外での認知度を高める必要があるが、グローバルでの販売台数を急激に増やしている。

ファーウェイは、これまでアップルとサムスンを追い抜き、世界1位のスマートフォンブランドになることを目指してきた。同社の停滞は、競合他社にとって大きなチャンスだ。シャオミは、欧州でファンを増やしているが、ブランドロイヤリティはファーウェイに遠く及ばず、シャオミに乗り換えたユーザーが他ブランドに乗り換える可能性は十分ある。

次世代の中国スマホをリードするBBK帝国


OPPOやヴィーヴォ、「OnePlus」、「RealMe」を傘下に持つBBKは、こうした状況を熟知しており、グローバルな大手メーカーにとってより大きな脅威となるだろう。

アップルとサムスンは高いブランドロイヤリティを誇るが、ファーウェイはこれら2社に勝てることを示した。ファーウェイが第2四半期に世界首位に立ったとき、調査会社かカナリスは、「四半期ベースでサムスンとアップル以外の企業が首位に立つのは9年振りのことだ」と述べた。

ファーウェイは、半導体の在庫が不足する中、戦略を転換してソフトウェア・エコシステムの構築を図っている。この戦略が成功するためには、他メーカーがアンドロイドの代替として同社のソフトウェアを採用する必要がある。中国国内ではうまくいくかもしれないが、欧州や他の市場では苦戦することが予想される。

欧州市場をターゲットとするメーカーが、アンドロイド以外のOSを端末に搭載し、ライバルを手助けすることは考えにくい。

ファーウェイが米政府のブラックリストに追加されたことは、OPPOとヴィーヴォにとって大きな成長機会となっている。一方で、アップルとサムスンにとっては、ファーウェイが低迷しても、新たな競合が中国から次々と台頭し、競争環境はさらに激化するだろう。これらの中国企業は、業界の構造を変革する可能性を秘めている。

報道によると、ファーウェイは米政府からの制裁で苦境に立たされ、自社ブランド「Honor」の売却を検討しているという。今後、さらなる業界変動の要因となり得るのが米大統領選挙だ。こうした中、BBKがファーウェイに代わって中国スマートフォン業界の巨人となろうとしている。

同社傘下のブランドはどれも非上場企業で、親会社と距離を保ちながらお互いに競合関係にあるのが特徴だ。

編集=上田裕資

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