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連載:元ファーストクラスCAに聞く一流の共通点(サムネイルデザイン=高田尚弥)

「機内で出会った超一流のお客様は、気くばりと自己管理の達人でした」──そう語るのは、人気記事 元ファーストクラスCAに聞く「機内で噂される一流の乗客」の共通点 の著者であり、日本航空(JAL)の元CAで現在シーエーメディアエージェンシーの代表を務める清水裕美子氏だ。

著書『ファーストクラスCAの心をつかんだマナーを超えた「気くばり」』も上梓した清水氏に、機内で学んだ「不測の事態をどう受け入れるか」に関して以下、ご寄稿いただいた。一流の乗客が、たとえば飛行機遅延の場合、イライラする代わりにすることとは──? (過去記事はこちら #1 #2


飛行機の遅延や機材トラブルなど、機内では不測の事態が起こることも珍しくありません。トラブルが起こったときに人の本質がわかるとよくいわれますが、不測の事態にも動じず、賢くスマートに対応されるお客様には、共通点があることに気付きました。

ここでは、思い通りにならない事態に遭遇した時に、自分も周囲も気持ちよく乗り切るための対応法を、実際の機内でのエピソードを含めご紹介いたします。

合理的に、「今できること」にフォーカスする


例えば飛行機が遅延してしまったとき。乗り継ぎ便や到着後の旅程のことを考えると、イライラしたり、動揺したりしてしまいがちなシチュエーションです。

しかし、トラブル対応上手なお客様はそこで感情的になったり、無理難題や過剰な要求をすることはありません。

感情的になったところで状況が変わるわけではないことを理解されているので、合理的に今できることにフォーカスされています。

CAが今の状況を説明したあとは、「今席を立っても良いか」、「携帯電話を使っても良いか」など、現実的な質問だけされ、その後はご自身で淡々と予定を調整されたり、お連れ様との会話を楽しまれたり、仕事をされたり、その時間を有意義に使おうという意思が感じられます。

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イライラするどころか「相手を思いやる」


飛行機の遅延やトラブルの際、お客様に謝罪に行くと「仕方ないことだから」「あなたの責任ではないから」と理解を示してくださったり、「あなたも立ちっぱなしで大変ね」など励ましの言葉をかけてくださることもあります。

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また、フライト中にお客様の座席の個人用画面が故障してしまった際、「僕は大丈夫だけど、帰りの便までに直るといいね」というお言葉をかけてくださったというエピソードもありました。

トラブルに巻き込まれ、自分自身も困っている状況にも関わらず、相手や他の人を気遣う言葉をかけてくださる優しさには、感動を覚えます。

不測の事態が発生した時、自分だけではなく相手も緊張感や不安、申し訳なさなど様々な思いに苛まれているはずです。

文=清水裕美子 編集=石井節子 サムネイルデザイン=高田尚弥

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