「フロリダの住宅販売件数は前年を大きく上回っており、なかでも40万~100万ドルの価格帯が顕著に伸びている」と指摘するのは、シカゴに拠点を置くウルフ・デベロップメント・ストラテジーズ(Wolf Development Strategies)でプレジデントとCEOを兼任するDavid Wolfだ。同社は、高級住宅に特化して、開発アドバイザリー、マーケティング、販売のフルサービスを提供している。
「こうしたデータは、住宅購入を決めかねていた移住希望者たちが、パンデミックをきっかけにして、低金利やフロリダの税制上のメリットといった市場要因に後押しされて購入に至ったことを裏付けている」と、Wolfは言う。
同社が販売とマーケティングを手がける、フロリダ州サラソータにある18階建ての高級コンドミニアム「ザ・デマーケイ・プライベート・レジデンシズ」も、この1カ月間ほど、サンシャイン・ステートを訪れる北東部や中西部の人々からの注目が高まっているとのことだ。
「密」になるリスクは?
フロリダへの大移動が起これば、やがては、新たな住環境も、逃れてきた元の地域と同じように密になるのではと懸念する人もいるだろう。
だが、Barthelmessはその心配はないと言う。
「マイアミは比較的新しい都市であるため、ハイウェイや道路、都市間交通機関のほか、家が重なりあうように狭苦しくない広大な住宅地を建設する余裕がある。コロナ禍以前には、マイアミ中心部への移住が増えていた。パンデミックから回復すれば、その傾向が続くと考えている。それでもしばらくの間は、マイアミで密度が問題になることはないだろう」