さらに、「ハコベルコネクト」を導入し、DXに成功した企業は前向きだ。単純に業務工数が減って仕事が楽になった、というところに止まらず、ようやく一元化されたデータを分析し、活用していこうという動きも見える。例えば、今年の夏から「ハコベルコネクト」を本格導入したネスレ日本では、業務工数に加えて、前年まで情報連携不備による配達ミスなどによって数百万円単位でかかっていた再配達コストをゼロにすることにも成功したという。
「ハコベルコネクト」の導入によるネスレ日本の業務改革例
同社SCM本部 ディマンド アンド サプライプランニング部長の尾川太志氏は「ハコベルコネクトを利用した当社の例を基に、業界内のシステムの標準化が進めば、物流業界全体の課題解決にも貢献できるのではないかと思います」とさらなる期待を寄せる。
「DXは、仕組みを置き換え、提供する価値を“守る”ことがゴールではありません。業務を楽にするとか、人やコストをカットするためにやるのも違います。自分たちの価値を上げるための取り組みとして進めなければなりません。そのためには、まずは『最後までやり抜く覚悟をすること』が重要です。DXは、自社だけで完結するものであれば比較的楽ですが、関わる人・会社が多ければ多いほど、導入プロジェクトという、越えなければならない山も高くなります。
導入後も、標準化して使い続けられるものにするためには改良・開発をし続ける必要があります。使いにくいまま終えてしまっては、結局使われなくなってしまうんですよね。また、いまの業務をそのままシステムに置き換えるだけでは意味がない。入力簡易化のためにフォームを実装するとか、データから抽出できる部分は自動化するとか、システム化することでできることってたくさんあるんです。
だからこそ、我々のように、DXを進めるにあたってのパートナーとなる企業の見極めも重要だと考えます。『本当にその業務は必要か?』という、経営的な視点をもって一緒に考えられる存在をしっかり見つけてください。そして、浮いた費用・時間で、自社のさらなるバリューアップに力を入れてほしいと思います。そこを目標にしていただいたほうが、DXをサポートする我々の打ち手の提案も広がりますから」
DXは業務改革から、新たな価値創造へ。山を乗り越えた先に、新たなビジネスチャンスも生まれるはずだ。