ビジネス

2020.11.02

現場が熱い。ポテンシャルを開放する「8拠点都市」のスタートアップエコシステム

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成長するスタートアップはどこから生まれるのか? 内閣府 政策統括官(科学技術・イノベーション担当)付 企画官 石井芳明氏によると、最近の傾向として、ユニコーンに育つスタートアップの6〜7割は都市部から生まれており、その要因は「人」にあるとしている。

イノベーションの種を待つ人が大勢集まる場所には、その人々を目指して資金や弁護士といった専門家が集まる。では、イノベーティブな人々を集めるには、何が必要か。答えは、「イノベーティブな環境」である。

国と自治体、企業との共創が始まっている


現在、シリコンバレーを筆頭に、世界各地にイノベーションを起こすためのスタートアップ拠点が出来上がってきた。例えば、シリコンアレーと呼ばれるNYでは、リーマンショック後、ブルームバーグ前市長は多様性のある人々を集め、スタートアップを応援する街づくりを行なった。他にも、ボストン、ロンドン、上海、シンガポール、タイ、テルアビブなど、今やグローバルな都市間競争、スタートアップ支援競争が加速しており、各都市のイノベーション創出活動を「国が」後押しする時代になった。

日本でも、近年スタートアップ支援は盛り上がりを見せており、この流れを「Beyond Limits. Unlock Our Potential ~世界に伍するスタートアップ・エコシステム拠点形成戦略~」によって強化する狙いだ。この戦略では、以下の7つの戦略から、起業家がこれまでの制約を超越し(Beyond Limits)、日本の潜在能力を開放する(Unlock Our Potential)、スタートアップ・エコシステムの拠点形成を目指している。

スタートアップ・エコシステムの7つの戦略
内閣府「世界に伍するスタートアップ・エコシステム拠点形成戦略」(平成元年6月)をもとにForbes JAPANが作成

また、地方自治体(区市町村・都道府県)と大学と民間組織(ベンチャー支援機関、金融機関、デベロッパー等)を構成員とするコンソーシアム(協議会等)に対して、「スタートアップ・エコシステム拠点都市形成プラン」を公募。有識者と内閣府、経済産業省、文部科学省による選定委員会で以下の審査項目を審査し、グローバル拠点都市・推進拠点都市を選定した。

拠点都市のマップ

拠点都市の特徴


今や、日本全国にイノベーション創出の動きが波及している。そこで、選出された8地域の特徴、そしてこれまでイノベーション創出に携わってきたそれぞれの中心人物に今後の展望などについて伺ったので、紹介しよう。
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文=森若 幸次郎(John Kojiro Moriwaka)

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