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2020.10.20

【10月第2週資金調達まとめ】スペースデブリ除去のアストロスケールホールディングスが53億円の調達

国内の成長産業及びスタートアップに関する幅広い情報を集約・整理し、検索可能にした情報プラットフォーム「STARTUP DB」では毎週、資金調達のサマリーを発表している。この記事では、10月2週目の“注目のトピック“として選ばれた5件の資金調達について紹介する。

アストロスケールホールディングス


調達額:53億円
調達先:エースタート / アイネット / スパークス・イノベーション・フォー・フューチャー / 清水建設
備考:シリーズE総額で約55億円の調達 / スパークス・イノベーション・フォー・フューチャーは運営する宇宙フロンティアファンド、ヒューリックから出資

宇宙機の安全航行を目指し、スペースデブリ(宇宙ごみ、デブリ)除去サービスに取り組むスタートアップ。シンガポールを本社拠点、日本をR&D拠点としている。

同社の展開する「IDEA OSG1」は、地球付近に漂う小さな宇宙ゴミを計測する超小型衛星で、0.1ミリから10ミリメートルの宇宙ゴミを地球の高度600キロから800キロメートルの楕円軌道上で計測する。

微小な宇宙ゴミの分布や量のモデルを作り、宇宙機の防護設計や衝突被害の最小化に役立てる。

宇宙空間には、宇宙機の爆発・衝突事故等により1センチを超えるスペースデブリが75万個以上存在する。スペースデブリは秒速8kmで地球の軌道を飛んでいて、宇宙機の衝突事故等によりさらに増加することが課題となっている。

持続可能な宇宙利用に向け、スペースデブリの除去サービスの開発に取り組む。

2020年10月には、エースタート、アイネット、清水建設、スパークス・イノベーション・フォー・フューチャーからの第三者割当増資により、シリーズE総額で約55億円の調達を実施し、累計総額で約210億円の資金調達を達成した。

今後は重要な社会インフラとして宇宙からのサービスやデータを安心して活用できるよう、アストロスケールはデブリの低減・除去、軌道上サービスのミッション実現に向け、スペースデブリという世界でも最も複雑な社会課題に対して、技術、ビジネスモデル、法規制に取り組んでいく方針だ。

アンドパッド


調達額:20億円
調達先:Minerva Growth Partners / Sequoia Capital
備考:シリーズCエクステンションラウンド / Sequoia CapitalはSequoia Capital Chinaからの出資

クラウド型建設プロジェクト管理アプリ「ANDPAD」を提供するスタートアップ。

同サービスは、現場の効率化から経営改善まで一元で管理することができるクラウド型建設プロジェクト管理サービスだ。

国交省が運営するNETIS(新技術情報提供システム)にも登録されている。

深刻な人手不足が懸念される建設業界において、"建設現場をシンプルに楽しく"を目指し、特に民間の新築・リフォーム、商業建築などの施工現場で、スマートフォンアプリを中心に利用されている。

2020年5月には、導入企業数は2000社を突破し、シェアNo.1の施工管理アプリとなっている。

2020年10月にはシリーズCエクステンションラウンドとしてMinerva Growth Partnersをリード投資家とし、Sequoia Capital Chinaを引受先に約20億円の資金調達を実施。

今回の調達により累計調達額は総額約87億円になる見込みである。

SaaS関連企業およびDX関連企業に対する豊富な投資経験を持つ国際投資家の知見を活用することで、今後はプラットフォーム戦略を加速し、建設業界のDX化を推進する方針。
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文=STARTUP DB

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