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2020年の米大統領選挙について、金融市場は「不確実性の高まる時期」と見ているが、これはよく理解できる。2020年は、政治状況はもちろん、経済的にも不確実性が高まっていたからだ。しかし意外かもしれないが、歴史的にみると、選挙直前の数日間には市場にポジティブなトレンドが見られることがこれまでの研究でわかっている。

選挙前の変動


Quantpediaの研究チームは、選挙前の市場における変動の証拠を発見した。選挙直前の5日間、市場は概して上昇傾向を示したというものだ。チームは、1950年から2018年までのあいだに35回行われた米国の選挙(大統領選と中間選挙の両方を含む)について分析した。

過去の選挙において、選挙直前の5日間に、市場(S&P500)は平均して約2.5%のリターンを出していた。小さな数字に思えるかもしれないが、これが安定した傾向だとすれば、5日間の取引に対して比較的魅力的なリターンだといえる。興味深いことに、この上昇は選挙前に起こるようだ。過去のデータを見るかぎり、選挙直後の市場に方向性はない。

このような定量的分析がある一方で、未解決の疑問は常に残る。今回は特別だろうか? ことによるとその可能性はある。というのも、こうした定量的分析に基づいて取引しようとする投資家が、以前より多くなっているからだ。

また、選挙前の上昇パターンは、月の変わり目に上昇傾向になる「月初効果」と区別しづらい。一般に月の最初の数日は、選挙の有無にかかわらず、市場が好況を示すのだ。そのため、上昇の原因が本当に選挙なのか、それとももっとありふれた月初効果なのかは、はっきりしない。それにもちろん、2020年の選挙はいろいろな意味で特別であり、過去の歴史はあまり参考にならないかもしれない。

国際的視点で見ると?


米国市場においてこうしたトレンドが観測された場合、国際的視点から妥当性を検証することが役に立つかもしれない。アンジェラ・オパレ(Angela Opare)は、欧州の複数の株式市場を対象に同様の研究をおこない、おおむね似たようなトレンドを見出した。

オパレの研究は、1990年から2012年のあいだに選挙を実施した欧州13カ国が対象だが、こちらでも、平均すると選挙の直前に市場が上昇し、直後に下降する傾向がみられた。具体的には、選挙前の15日間はポジティブなリターンに、選挙後の15日間はネガティブなリターンになる傾向が観測された。

また、意外ではないが、選挙の前後に市場のボラティリティが高まる傾向も示された。この研究は、Quantpediaの調査とは期間設定が多少異なるものの、2つの結果はおおむね一貫性がある。

翻訳=的場知之/ガリレオ

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