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WOTA代表前田瑶介、モデル冨永愛

モンブランが認めたMarkMaker(マークメイカー)、モデルの冨永愛と、今年の「30 UNDER 30 JAPAN」モンブラン特別賞受賞者、WOTA代表前田瑶介。それぞれの分野で、誰にも真似できないマーク(筆跡・足跡)を刻んでいるふたりの対談が実現した。

モンブランのブランドキャンペーンテーマ「What Moves you, Makes you」をキーワードに、ふたりを突き動かす情熱の源泉を語り合った。対談は、社会貢献活動を通して世界の貧困を目の当たりにしてきた冨永の、水道のない場所での水利用を実現した前田への賛辞から始まった──。


新たな「水」インフラが求められる理由


冨永愛(以下 冨永):日本では、日々の暮らしのなかで誰もがあまり深く考えずに水を利用していますが、実は、限りある大切な資源であることを忘れてはいけません。

そもそも上下水道が整備されていないアジアやアフリカなどの開発途上国では、安全な水を確保すること自体が難しく、病原菌や微生物で汚染された川の水を汲んで飲み、悲しいことに命を落としてしまう小さな子どもたちが大勢います。

前田さんがCEOを務めるWOTAは、先進テクノロジーを活用し、汚れた水を浄化して再利用できる製品を開発されました。汚染された水を安全な水に変換し、さらに使用した水を浄化させることで、ひとりが使う水量で、100人以上の方にシャワーや手洗いを届けることができます。

シャワーや手洗いなど、きれいな水をみんなで何度でもシェアできるのが大きなポイントですよね。これまで世界に存在しなかった革新的なサービスを提供しています。

このシステムがどんどんアップデートされ普及していくと、人々の生命と財産を守る、希望に満ちた新たな「水」インフラとして機能していくのではないかと、とても期待しています。



前田瑶介(以下 前田):世界的なトップモデルであり、社会貢献活動にも精力的に取り組まれている冨永愛さんにそうおっしゃっていただけるのは、とても光栄です。

ずいぶん前から、2025年以降、世界の人口が爆発的に増え、深刻な水不足に陥ることが懸念されています。不衛生な環境で人々が健康を害する姿など、誰も想像したくないですよね。

そんな未来が訪れないように社会インフラを変えていきたいという思いが、プロダクトを推進していく私たちの原動力になっています。

世界には、さまざまな水のニーズがあります。それは災害大国日本も例外ではありません。私たちの究極の目標はどんな環境、どんな状況に陥っても人々が自ら安全な水をつくりだせるインフラの構築です。

貧富の差など関係なく、地球上のそれぞれの場所で人々が水を自由自在にコントロールできれば、世界はもっと幸福になるはずです。そのためには、今後、ソフトウェアをオープンソース化していくことが大事なのではないかと考えています。

水の循環について考えるプロセスで、あらゆる資源の使い方についても人々が考え直すきかっけになればとも思っています。つまり、魚という結果を提供するのではなく、釣竿とか、釣り方などの考え方そのものをを普及させたいと思っています。

冨永:2015年に国連で採択されたSDGsには、「誰一人として取り残さない」という、非常に重要なポリシーがありますよね。まさにそれにコミットした素晴らしいビジネスです。

私は2010年から、世界の妊産婦さんの命を守ることをミッションに掲げたNGO団体、ジョイセフの運動に参加しています。日本では、妊娠すると普通に検診を受け、安心して子どもを産めるように、お医者さんや看護士さんが寄り添ってくれます。

しかし、地球の裏側にいくと、そうはいきません。不衛生な環境のなかで子どもを産むしか方法はないので、母子の健康を守るために先進国のサポートが必要になるのです。

でも、それだけでは真の意味で課題が解決されたとは言えない。前田さんの発想とまったく同じで、現地の人々に知識を与え、彼らが主体的に医療体制をつくっていくことが望ましいのです。

人々を感動させるビジネスに不可欠なファンタジー


前田:水と衛生は切り離せない関係にあります。いまお話を聞いて、冨永さんの活動のお手伝いができるようなプロジェクトを考えてみたいと思いました。実は、今日の対談で冨永さんにお伺いしたいと思っていたことがあります。

ディープテックの世界にいると、一日中、技術のことばかり考えてしまうのです。今後はテクノロジーで何ができるかとともに、自分たちが変えようとしている社会が、人々にとってワクワクするような未来であることを人々にイメージしてもらうことも考えていかなければ、このシステムはなかなか世界に普及していかないとも思っています。

「美」への追求とともに、「美」の価値観を変え、世界中の女性たちを惹きつける冨永さんからそのヒントをいただけると嬉しいのですが。



冨永:ファッション業界はいま、どこのブランドもエシカルを大切なコンセプトにしています。ご存じかもしれませんが、これまでファッション業界は商品をつくるプロセスのなかで環境を汚したり、サプライチェーンを組む開発途上国の労働環境が劣悪だったり、多くの課題に直面してきました。

そうした課題と向き合ったことでエシカルという概念に行き着いたのです。いまのユーザーは、ひとつの洋服が完成するまでのストーリーにとても関心をもっています。しかし、あくまでもエシカルは大前提であって、ファッションにはファンタジーも必要です。

ひとつのブランドの洋服が、消費者の心をポジティブにすることもあれば、その人生を輝かせることもある。エシカルとファンタジーを融合させたブランドこそが人々に感動を与えるのです。水の循環システムにも、こうしたファッション業界のエッセンスを採り入れてもいいと、私は思います。

前田:とても参考になります。水資源の課題を解決するためにはたくさんの人を巻き込んでいかなければなりません。

私たちはテクノロジーの会社なので、自分たちの技術にワクワク感を抱いてほしいという願いがあります。

水を循環させて使うことが当たり前の社会になることを目指しているからこそ、そこにエンターテイメント性や、ファンタスティック性を打ち出すことで、夢のある取り組みであることをアピールする必要もあるのですね。

冨永:「自分ごと」として捉えてもらうということも重要だと思います。ラグジュアリーの考え方もいま大きく変わってきています。かつては成功者が優雅な生活をするとか、高貴なモノを身につけるというのがラグジュアリーの定義だった時代もありました。

いまは自分の人生を豊かにしてくれるものが何かを見つけ、それを大切にするのが真のラグジュアリーだと世界中の人が気づき始めています。つまり、大切な人との関わり方であったり、自然への向き合い方だったり。

例えば、日本でも多くの人が、エコバッグを日常的に使い始めていますよね。エコバッグを使うことによって、少しでも自然とつながっているという気持ちになることができれば、それはラグジュアリーなことだと、私は思うのです。

前田:なるほど。例え小さな行動だとしても、自分があるフラグを使うことによって世界がよりよくなることに貢献しているという実感をもつことがウェルビーイングなライフスタイルにつながるわけですね。自分の知らない世界にさまざまなヒントがあることを、本日の冨永さんとの対談で学びました。

冨永:私も、今日、前田さんとお話しして、とてもワクワクしましたよ。若い経営者が自らの利益よりも、社会課題の解決を優先する姿勢に感銘を受けました。今後のご活躍が楽しみでなりません。



最後に、モンブランのブランドキャンペーンテーマ「What Moves you, Makes you (今ある)あなたを突き動かしたものは何ですか」をそれぞれ記してもらった。「世界とwetにつながりたい=Global wet」と前田氏、「畏れと怒り、好奇心」と冨永氏。



モンブランのブランドキャンペーン「What Moves You, Makes You」
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とみなが・あい◎17歳でNYコレクションにてデビューし、一躍話題となる。以後、世界の第一線でトップモデルとして活躍。モデルの他、テレビ、ラジオ、イベントのパーソナリティなど様々な分野にも精力的に挑戦。日本人として唯一無二のキャリアを持つスーパーモデルとして、チャリティ・社会貢献活動や日本の伝統文化を国内外に伝える活動など、その活躍の場をクリエイティブに広げている。2019年秋、TBSドラマ日曜劇場「グランメゾン東京」では主要キャストとして抜擢、女優としても活躍。公益財団法人ジョイセフアンバサダー、エシカルライフスタイルSDGs アンバサダー(消費者庁)。

ドレス¥100,000、ブーツ¥100,000(ともにトリー バーチ/トリー バーチ ジャパン☎︎0120-705-710)、イヤリング¥86,000、リング¥323,000(ともにカルティエ/カルティエ カスタマー サービスセンター☎︎0120−301−757)

まえだ・ようすけ◎徳島県出身。東大・東大院で建築学を専攻。在学中より、大手住設メーカーのIoT型水回りシステムユニットの開発プロジェクトに参加。teamLab等でPM・Engineerとして勤務し、センシングや物理シミュレーションを用いた作品・プロダクトの企画・開発に従事。建築物の電力需要予測アルゴリズムを開発。売却後、WOTAに参画。東京大学総長賞受賞。修士(工学)。Forbes JAPAN「30 UNDER 30 JAPAN 2020」選出。

Promoted by Mont Blanc Japan / text by Hiroshi Shinohara / photographs by Shuji Goto / edit by Akio Takashiro

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