私自身、留学も経験し、英会話スクールにも通っていたのですが、マッキンゼー時代には英語でかなり苦労した経験があります。仕事ができても英語のミーティングになるとパフォーマンスが下がるし、議事録も書けない。私だけではなく、同期や当時の日本企業のクライアントも同じで、英会話スクールに通いながらも英語に苦しむという状況に陥っていました。そこに課題を見出し、会社を作る意義を見出しました。
課題解決への使命感先行で創業しましたが、戦略面でも競合が多いという点はかなりポジティブに捉えていました。というのも1からマーケットを作るのは厳しい道のりですが、マーケットをリプレイスすることはそんなに難しいことではない。大人の英語市場は2100億円。こんなに規模が大きく、課題がはっきりしているなんてビジネス的にも最高のマーケットだと思いましたね。
──課題に対し、どのようなアプローチを?
英会話業界は「レッスンをするからお金をもらう」という考え方が一般的ですが、我々は「英語力向上の対価をもらう」という考え方に発想転換し、サービス内容を設計しました。具体的には、コーチングメソッドを活用した徹底的な「自習サポート」。第二言語習得論という科学的知見に基づき一人ひとりにカスタマイズした、考え抜かれた自習を1日3時間続けてもらいます。
英語力を上げるためには「学習生産性」を上げ「投下時間」を増やすしかありません。魔法はなく、自分の努力でしか英語力は上がらない。だから我々は「レッスン」でなく「自習」に重きを置くことにしたのです。
突飛なことではなく、当たり前のことをきちんとやる。この原理原則は英会話だけではなくビジネスでも同様です。その本質に共感していただいているからこそ、実績のある経営者の皆さまからも支持いただいているのではと思います。
目標は高く掲げることに意味がある
──創業時から順調に成長を遂げているように思えますが、経営者としてピンチはありましたか?
まず、今のプログリットがあるのは、エンジェル投資家の瀧本哲史さんの存在がとても大きいです。
オフィスもなく、従業員は一人もいなかった創業当時、あるのは、英会話業界でこれまでとは違ったアプローチで成功をするというビジョンだけだった僕たちに、心よく投資を決めてくれたんです。そこから、「まずはこれをやってみよう」「それができたら次はこれ」と月に一度、壁打ちさせてもらう機会をいただけたことには、感謝してもしきれません。