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2020.10.17 18:00

映画「インターステラー」のモデルを再現した腕時計

映画コメンテーターの有村昆さん。映画愛に満ちた、他の人とはひと味違った時計感を披露する。


映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に登場したクルマ「デロリアン」を購入したことでも知られる有村さん。時計でも、あのスタンリー・キューブリック監督の名作『2001年宇宙の旅』の劇中に出てくる時計にインスパイアされた、ハミルトン製の限定モデルを所有。

「まず、キューブリック監督がすごく好きなんです。それに時計自体の格好良さもポイントですね。メインのダイヤルの下に、ドリームタイム、ホームタイム、グリニッジタイムと3つのタイムが並んでいて、これはまさに映画の世界へのいざない。我々は三次元の世界にいるんだけど、宇宙では四次元の世界に行ってしまう、そんなキューブリックの世界観と繋がる感じがしましたね。とても夢がありました。ちなみに私の愛機は限定2001本中147番です」

中学生のときに『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』を観て映画の世界に魅了された有村さんは、子どもの頃からライトセーバーを振り回していたほどのSF好き、ガジェット好き。劇中に出てくる腕時計を何本も所有している。「私の時計の趣味は偏っています(笑)。未来を感じるもの、メカメカしいものが好きです。名優と呼ばれる人がどんなに素敵な時計を着けていても、この条件に嵌まらないものには面白味を感じられなくて」

そういう有村さんのもう一つのお気に入りが、ハミルトンの「カーキ フィールド マーフ オート」である。クリストファー・ノーラン監督の『インターステラー』に登場するモデルを忠実に再現した時計だ。ただ、先ほど話してくれた、未来感、メカ感がないシンプルなデザインなのである。「これもノーラン監督が大好きというのが理由としてあります。彼は時を行き来することで、映画としての多重性を表現するのが非常にうまい。『インターステラー』では、父親が四次元の世界に入ってしまって、娘にモールス信号で自分の存在を伝えるときに、秒針がカチカチカチと動く、あれはシビれましたね。それで実際に発売された“マーフ ウォッチ”は、シンプルなのですが、軍モノ独特の雰囲気があり、武骨な感じがいい。カジュアルな服装のときに着けるとそのスタイリッシュさが際立ちます」

お話の最後に、折角なので、映画をより楽しむためのテクニックを聞いてみた。「色々とある中で、時間の配分を気にして見ています。何分でこの展開に行くんだ、とか、時間配分により監督がどのようにストーリーを表現しているのかに注目しています。みなさんもハミルトンの時計を置いて、一度、時間を考えながら映画を観てみてはいかがでしょうか」

HAMILTON Khaki Field Murph Auto

2014年公開の映画『インターステラー』で、父親の「クーパー」が宇宙へ旅立つ前に娘の「マーフ」に手渡した腕時計を忠実に再現したモデルが、満を持して19年に登場した。ファンの間では「マーフ ウォッチ」として親しまれている。シンプルなダイヤルには、時分秒針とデイデイト表示が。自動巻きムーブメントは、約80時間のパワーリザーブを誇る。


1. このモデルの秒針には、映画のカギとなるシーンへのオマージュとして、モールス信号で「Eureka(ユーリカ)」の文字がプリントされている。裸眼ではほとんど見えないので、それを知っているファンのみが愉しめる。こういった遊び心も腕時計の魅力。粋な仕掛けである。


2. 程よい厚さのケースには、ポリッシュとヘアラインの2つの仕上げが施されており、そのコントラストがとても美しい。

ムーブメント:自動巻き Cal.H-10
ケース素材:ステンレススチール
ケース径:42mm
価格:111000円
問い合わせ:ハミルトン/スウォッチ グループ ジャパン(03-6254-7371)


有村昆◎1976年生まれ。年間500本の映画を鑑賞し、テレビ番組や雑誌などで映画コメンテーターとして出演するほか、ラジオ番組のパーソナリティとしても活躍。YouTubeチャンネル「有村昆のシネマラボ in YouTube」にて映画の魅力を発信している。

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text by Ryoji Fukutome illustration by Adam Cruft edit by Tsuzumi Aoyama

この記事は 「Forbes JAPAN Forbes JAPAN 10月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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