NY州知事が激怒したザ・チェインスモーカーズの「密なライブ」

Photo by Kevin Mazur/Getty Images for Safe & Sound

ニューヨーク州知事のアンドリュー・クオモは10月14日、州内のハンプトンで7月に開催されたザ・チェインスモーカーズのライブの主催者に2万ドルの罰金支払いを求めた。主催者は州が定めるルールを無視し、観客らの社会的距離を確保せずにコンサートを開いたという。

ライブの模様を収めた動画には、ステージ前にマスクを着用していない観客らが押し寄せる場面が収録されており、現地でソーシャルディスタンスが確保されていなかったことは明白だった。今年7月に動画を観たクオモ知事は、ライブの主催者のIn the Know Experiencesに対する調査を進めるとツイッターで宣言していた。


ニューヨーク・タイムズ(NYT)の記事によると、ニューヨーク州の公衆衛生委員のHoward A. Zuckerは7月にサウスハンプトンの担当者宛に書簡を送り、「当局が一体どのような理由で、このようなイベントの開催許可を出したのか理解に苦しむ」と述べていた。

7月のライブは名目上は「ドライブイン・コンサート」として開催され、当局の調べで2150人を集客した模様だ。しかし、車内からライブを楽しむはずだった観客が途中から車外に飛び出し、ステージ前に押し寄せたという。

当日はゴールドマン・サックスCEOのデービッド・ソロモンが、「DJ D-Sol」としてオープニング・アクトを務めた後に、ザ・チェインスモーカーズが出演した。

チケットは1250ドルから2万5000ドル(約260万円)で販売され、売上金は様々な慈善団体に寄付された模様だ。フォーチュンの報道によると、寄付の総額は15万2000ドルに達したという。

ライブを主催したIn the Know Experiencesは7月のバズフィードの取材に、当日は適切な対策を講じた上でイベントを開催したと述べ、観客が集中する場所には柵を設置するなどして距離を確保したと主張していた。

ニューヨーク州の中でも富裕層が多く住むエリアであるハンプトンでは、新型コロナウイルスの感染が拡大中でも、複数の大規模イベントが開催されていた。

編集=上田裕資

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