人の運は食にあり。パフォーマンスを上げる「少食と咀嚼」のすすめ


少食を実践するためのきっかけとしては、断食があります。断食は、普段の食生活では自己抑制が難しい中、強制的に一定期間食べないことで、少食にしていくきっかけになります。実際に頭が冴え渡り、体が軽くなることを体感できるからです。

数日間のファスティング合宿など本格的なプログラムもありますが、簡単ですぐに試せるのは、朝を抜く半日断食や、1日1食の日を設けるという方法です。



断食には、食べ過ぎによる体内の過剰な栄養素を取り除き、人間が本来持っている能力を最大限に戻すという効果があるといいます。

食事を抜くことで、体が自分の細胞や組織の一部をエネルギーに変えて利用するので、余分な脂肪などが使われ、体もすっきりします。それによって、免疫力が上がり、風邪を引きにくくなったり、各種疾患の予防にもつながったりします。風邪などを引いた際も、栄養価の高いものを食べるより、断食する方が内臓は休まり、自然治癒力も高まるので、治りやすくなります。

そのほかにも「頭が冴える」「疲れにくくなり、睡眠時間が短くなる」「若返る」「痩せる」「食費を節約できる」「精力や妊娠力が高まる」「長寿遺伝子が機能する」「各種疾患の予防が期待できる」など、さまざまな効果があると断食肯定派は主張しています。

ちなみに、食べない健康法は昔から存在していたようで、16世紀のイタリアで102歳まで生きたルイジ・コルナロという人物が「無病法」という本にその極意をまとめています。当時からベストセラーとなりましたが、今でも長寿健康法のバイブルとして知られています。

最後に、1日1食を実践している人をあげておきましょう。ビートたけし、タモリ、オバマ元大統領、ビル・ゲイツ、時代を遡れば千利休、ミケランジェロ、アインシュタインなどの歴史的偉人まで、世代や国を問わず存在しています。
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文=国府田 淳

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