人の運は食にあり。パフォーマンスを上げる「少食と咀嚼」のすすめ

「少食」と「よく噛む」。たったこれだけで、体がすっきりして毎日のパフォーマンスが上がるとしたら、そんなにラクなことはないですよね。それに、「そんなこと知っているよ」と思いながらもできていない人が実は多いのではないでしょうか。

今回は著書「健康本200冊を読み倒し、自身で人体実験してわかった 食事法の最適解」(講談社)から、今すぐに簡単に実践できて効果の高い、「少食」と「よく噛む」についての有益な情報をお届けします。

少食が人生を好転させる


まずは「少食」から。ランチを食べたら眠くなってしまい、午後の仕事に集中できないというのはよく聞く話です。人は満腹中枢が満たされ、血糖値が上がると体の反応が低下し、眠くなります。野生動物は、空腹時には生き残るために覚醒状態になって獲物を捉えますが、満腹になると動きが鈍くなるというメカニズムを想像すると、わかりやすいでしょう。

眠気を防ぐためには、食事量を少なく保つことが重要です。当たり前の話だと思われるかもしれませんが、実際には仕事のストレスを解消するために盛り盛り食べてしまう方や、時間がないために、量を気にせずかきこむように食べてしまうケースが多いでしょう。

美味しいものを食べると、ドーパミンなどの報酬系の脳内物質が放出されるため、もっと食べたいという作用が働き、ついつい食べすぎてしまうのです。生理的な欲求なので、コントロールするのが非常に難しい。そこで、ただ我慢して量を減らすのではなく、「少食が人生を好転させる」ということを念頭におきながら取り組んでいくと、我慢ではなく充実感に変わります。

江戸時代の観相家の大家、水野南北の言葉に、「人の運は食にあり」というものがあります。少食にすれば腸相が良くなり、腸相が良くなれば人相が良くなり、人相が良くなれば運命が好転する。少食こそが人の運命を好転させる、という考え方です。

「腹八分目に医者いらず」というのも皆さんご存知の通りですし、それに続けて「腹六分目は老いを忘れる」「腹四分目で神に近づく」ということわざもあるほど、少食は昔から健康効果が高いとされてきました。

健康食関連の本でも、高い確率でこの話は出てきます。大盛りを我慢するだけで人生が好転するなら、そんなに簡単なことはありません。

ただし、カロリーを制限することによって、健康効果が高まるかどうかについては、アメリカの研究機関が行なった動物実験では明らかになっていますが、人の場合は明らかになっていません。ある程度の疾患予防効果は出ているものの、骨が弱くなったり、血糖処理能力が低下したりするなどのマイナス面の可能性も示唆されていますので、特に療養中に方は極端なカロリー制限は控えてください。
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文=国府田 淳

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