ビジネス

2020.10.18 08:00

躍進するカナダグース、「パンデミックの冬」の成長戦略


カナダグースは、フットウェアおよび小物類担当のゼネラルマネージャーとしてアダム・ミーク(Adam Meek)を迎え入れ、ダウンジャケット以外のアイテムについてもラインアップの充実を図ってきた。早ければ2021秋冬シーズンから、同ブランドにとって初となるフットウェアのコレクションを発表するとの計画が、すでに明らかにされている。

小物類では、125ドルからという価格帯の帽子に加え、バックパックやウエストポーチ、さらにはマスクなどのコロナ対策アイテムが、熱心なファン向けに用意されている。

小売業が壊滅的な打撃を受け、消費者心理の先が読めない状況が続くなかでも、カナダグースは、8月11日に行った2021会計年度第1四半期の決算発表において、1株あたり利益で0.05ドル、売上で439万ドルという、それぞれ事前予測を上回る結果を出した。

アナリストたちは、今後の数か月間でカナダグースが大ヒットする可能性について言及している。ケイト・フィッツシモンズ(Kate Fitzsimons)が率いるRBCキャピタル・マーケッツのチームは、カナダグースがホリデーシーズンや気温が下がるこれからの季節に高い販売実績をあげるだろうとの見方を示した。

RBCのチームは、「在宅勤務が一般化したとはいえ、寒い季節に入ってからも消費者は屋外で過ごす時間を優先し、アウターウェアがその恩恵を受けると我々は予測する」と記している。「秋からホリデーシーズンに入るこの四半期のあいだに、このカテゴリーへの需要が高まり、デジタル購入意欲がさらに勢いづくと見ている。デジタルマーケティングや越境販売の開始も追い風となるだろう」

カナダグースが、認知度アップと商品へのアクセスの改善に向けた積極的な取り組みを始めた市場がある。それは中国だ。同社は、中国における売り場面積を倍増させるための施策を打ち出している。

フィッツシモンズ率いるRBCチームは、「中国本土の顧客ニーズに、より地元に近いところで応えるという意味で、これは賢明な一手だと我々は(この決断を)評価している」と書いている。RBCチームは、カナダグース売上の約40%を中国からの観光客が占めていたと推定している。

カナダグースの次の四半期決算発表は、11月12日に予定されている。これからの寒い季節に向けた冬物衣料に加えて、晩夏から初秋にかけての時期に、オールシーズンタイプのアウターウェアのラインアップが顧客にどう受け止められたのかについても、情報が得られることを期待したい。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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