米政権が「集団免疫」戦略への関心高める? 専門家から非難の声

Photo by Jeff Swensen/Getty Images


集団免疫の獲得を目指してきたスウェーデンの試みが失敗し、予想を上回る数の死者が出たことを示す研究結果は、すでにいくつも発表されている。

さらに、より多くの研究結果が公表されるなかで、新型コロナウイルスは感染して重症化した人でも、免疫が数週間で消えてしまう可能性があることが明らかになり始めている。再感染する人が報告されているのはこのためであり、多くの専門家が集団免疫の獲得を目指すことに反対するのもこのためだ。

目指せば最低100万人が死亡?


米国で新型コロナウイルスへの免疫を持っている人は今のところ、人口の10%未満とされている。集団免疫を達成するのに必要な割合は、人口の40~80%というのが大半の専門家の見方だ。つまり、米国では1億9700万人程度が感染する必要があるということだ。

一方、WHOによれば、新型コロナウイルスの感染者致死率(IFR)は0.5~1%。集団免疫の獲得を目指せば、米国では少なくとも100万人が死亡することになるかもしれない。

米シンクタンク、アクセス・ヘルス・インターナショナル(ACCESS Health International)のウィリアム・ヘーゼルタイン会長兼社長はCNNに対し、次のように述べている。

「集団免疫は大量殺人と同義語だ。年間200万~600万の米国人が死亡することになるかもしれない──今年だけではない。毎年だ」

「これは私たちの国にとって、紛れもない災害だ。公衆衛生の最も優れた当局者たちが、政府の最高レベルにある人たちによって踏みにじられている。このエピデミックがコントロール可能なものであることを、私たちは知っている。他の国々は制御することができた。私たちは、それと反対のことをしている」

編集=木内涼子

ForbesBrandVoice

人気記事